8日、日曜日の昼間、六本木で見ました。 ジョニー・トーの新しいのをこんなところでしれっとやっていた。『名探偵ゴッド・アイ』
ジョンストン(アンディ・ラウ)が盲目の探偵で、元警察で、警察だったときの同僚刑事シトの部下の女刑事ホーがアシスタントでついて、ふたりしていろんな事件を追っかけることになる。 ジョンストンは頭脳明晰で、ホーは運動神経ばつぐんで、ホーはジョンストンに自分の子供の頃の親友で、突然失踪してしまった少女の捜索を依頼する。
ジョンストンは目が見えないぶん被害者の目とか立場とか状況を想像して、頭のなかでシミュレーションして推理するの。 あんたそんなの推理じゃねえよ思いこみだろ、て突っ込めないこともないのだが、実績ベースで彼は名探偵と呼ばれていて、ホーはそんな彼に憧れてぽーってなっている。
たまに座頭市みたいになるジョンストンの動き、芝居っけたっぷりのアクションとかふたりのじたばたしたコメディぽいやりとりは、あまりにちゃらちゃら適当そうでだいじょうぶかなあ、だったりするのだが、犯人とかターゲットの正体がべろんと剥がされる瞬間にぞわぞわと空気が変わり、でも目が見えない渦中の探偵にはそれが見えなかったり、という痛くて痒いかんじが伝わってくるあたりはやっぱりジョニー・トーの世界なの。
そして、中盤でジョンストンが4年間想い続けていたダンス教室の女性が同僚のシトに取られていた、という事実により失恋し、その芋づるでホーも失恋し、物語の中心が「失恋」という心身喪失状態にシフトしてくると、失踪事件の核心に横たわる闇がずるずる画面を覆いだして異様としか言いようのない世界になってしまう。
奇天烈なふくらまし方ころがし方でいうと、おなじ監督 - 脚本家による『MAD探偵 7人の容疑者』のかんじに近いけど、とっちらかったかんじ(よくもわるくも)はこっちのが上かも。
ひょっとして変な探偵シリーズで続いていくの?
テニスのスコートはいた裸人と、髑髏と銃撃のところなんか、ほんとめちゃくちゃだとおもう。
そしてラストのほのぼのは、あんなんでいいのか。 ほんとなら血まみれ呪われた子供、になるべきでしょあれ。
サイコサスペンス刑事コメディ、これを器用だねえ、というか、ごった煮だねえ、というか、わかんない。 でも変てこでおもしろいことは確かかも。
でも「毒戦」のからからに救いようのない沙漠感のほうがいいなあ。
食べもの関係は久々にてんこ盛りで、食べてばっかり。MAD探偵もそうだったかも、だけど。
映画のあとで代官山に行って久々に蔦屋をまわった。
やっぱしあそこの本の並びはぜんぜんだめだわ。性にあわない。
12.11.2013
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