13日の金曜午後、竹橋 ~ 日本橋でみたやつあれこれ。
ジョセフ・クーデルカ展
Josef Koudelka Retrospective
2011年に東京都写真美術館であった「プラハ1968」に続いて、こんどはクーデルカの全キャリアを俯瞰した展覧会。
初期の実験作から始まって「ジプシーズ」、「劇場」、「エグザイルズ」といった連作を見ることができる。「プラハ~」は「侵攻」というテーマのなかに並んでいる。
「ジプシーズ」も「劇場」も映画のスチールのように劇的でシャープでかっこよい。 その一枚のなかにドラマ的な要素を込めてつくって、というよりそういう要素が垂れ流しでぼうぼうに放射され出ている対象の前にカメラを曝す、その手癖とか流しかたが野晒しで素敵なんだとおもった。 クラインほど野暮ったくない、というか。 その傾向は「エグザイルズ」のシリーズではより顕著に奇跡を呼ぶようになって、作品のタイトルはただの地名で、道端に亀が転がっているだけの写真なのに、歩いていた亀のひっくり返る瞬間がざらざらしたストップモーションで脳内に映写されるかのようなの。 小さめのサイズ、ていうのもあるのかもしれなくて、近年の「パノラマ」のシリーズの、パノラマのでかでかしたパースペクティブになるとなんかぼやけてしまう気が、した。
カイユボット展ー都市の印象派
"Gustave Caillebotte - Impressionist in Modern Paris"
ブリジストン美術館でカイユボット(1848-1894)の日本で初めての包括的な紹介。
水平線の位置がほんのちょっと高めで揺れたり傾いたりしていて、それだけでなんか映画っぽく、タイトルのように「都市の印象派」ぽくなってしまうのだねえ、と思った。
でぶのおじさんがごろんと横たわっている、これも映画のワンカットのように見える絵の、そいつが「マグロワール親父」っていうのって、絶妙だとおもった。 絵とは関係ないけど。
あと、「ペリソワール」における水の描きかた、粘度、というか。
それと、弟マルシャル・カイユボットの写真、ルノワールの絵それぞれのモデルとなった「ジャンとジュヌヴィエーヴ」。裕福なおうちのぼんぼんとおじょうの、なんともいえない毛並みのよさ。
政岡憲三アニメーション選集
ブリジストン美術館から100% Chocolate Cafeを経由してフィルムセンターに行ってみました。
このひとの「くもとちゅうりっぷ」 (1943)も見ていないのだが、お勉強ということで。
見たのは以下の短編4本。
「難船ス物語 第壱篇 猿ヶ嶋」 (1931) - 24分
「桜(春の幻想)」 (1946) - 8分
「すて猫トラちゃん」 (1947) - 21分
「トラちゃんのカンカン虫」 (1950) -10分
線が細くて端正なところは昔のひさうちみちおとかを思いだした。
なんといっても「すて猫トラちゃん」の顔の中心に全部が寄り集まった、かわいいんだかかわいくないんだかよくわからないなんともいえない丸っこいたくましさがたまらず、これがそこから少し成長した「トラちゃんのカンカン虫」になるとぜんぜんかわいくなくなっていて残酷だなあとおもった。
かわいそうといえば、ネズミさん、ミシンまで回させられてほとんど奴隷。
12.22.2013
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