11.28.2012

[film] Oki's Movie (2010)

新宿のホン・サンス特集『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』から、18日日曜日の昼間にみました。

『教授とわたし、そして映画』。

ホン・サンスの映画は数本しか見てないのだが、例によって軽くて、ぼーっと見ているうちに終わってしまう。 こんなんでいいのか、と思いつつ、でもなんだろこれ、と。
気持ちよいのだか悪いのだかよくわかんなくて、そういうのが気持ちいい人には気持ちよいのだろう、あたりまえだけど。

4部、というか4章構成で、若い映画作家ジングの現在と過去、彼の上にいる大学の教授ソン、その教授と関係を持っている女子学生オッキ、ジングが関係を持ちたいと思うオッキ、このゆるーい三角関係に映画制作、というのが絡む。 映画?

第1章でジングと教授の線、第2章でジングとオッキの線、第3章で3人の三角形が前面に出て、第4章では、この関係をテーマにオッキが作った映画が挿入される。

最初の章で映画は単なる事実の羅列ではない、とジングは若い学生に言うのだが、この線で恋愛における事実と嘘とのありようが、その境界がなにひとつ明らかにされないまま(する必要がどこにあろう?)、たったひとつのキスとか、夜通しオットのアパートの前で待つとか、朝に部屋に入れてもらって愛しあうとか、そういうのでころころ寝返ったりして、要するにやったもん勝ち、の非情な(笑)世界が、ぺたーっとした画面の上で綴られる。 画面の上で起こることがやはり正しくて、その線でジングは上映会のQ&Aで過去の恋愛のことを観客から糾弾されて憮然としたりする。

で、このジングを中心に置いた恋愛をめぐるスケッチが、最後のオッキの映画でかるーくひっくり返される。 単なる事実の羅列として横並びで比べられる初老の男と若めの男との、師走と年明けのデート。 どっちがいい、とか、どっちにすべき、とかそういう話ではなく、犬と猫のように並べられるふたりの男たち。

で、音楽はへなちょこな「威風堂々」なの。 なめてんのか。
はい、なめてます。 映画なんてこんなもんで、でもキスはたまんないの、と。


今年のBlack FridayのRSD、"Moonrise Kingdom"のサントラ10inchだけは、とりあえずおさえました。 ほっとした。

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