3日の土曜日の夕方、収容所体験のあとで、別のばけものに出会うべく、代官山に向かう。
イベントのつながりとしては、なかなかよかったのではないかと。
去年も行った気がする"Leave Them All Behind 2012"。
6時過ぎに会場に入って、そのときはChelsea Wolfeの途中で、前のほうのアクトはその後の日本人のひとも含めてあんまよくわからず。
Sunn O)))とBorisは2010年の9月に、BrooklynのMasonic Templeでやった"Sunn O))) and Boris present ALTAR"ていうイベント以来、あのときは始まった直後に施設の電源がぶっとんで、復旧までに30分以上、まっくら闇で、再開してからも(もう一回とんじゃうとやばいから)まっくらで、わけわかんないから帰えろ、と1時少し前に外にでたら警察に包囲されててびっくり、というそういうやつだったの。 今回もそういうやばいのを期待してい ... なかったとはいわない。
8時きっかりに始まって、そういえば耳栓忘れたことに気づいたがもう遅い、びりびりとかばりばりとか、そんなような電磁系のぶっとい音束が何本か、天井までぐいぐい昇っていって小屋の床から重金属まじりの重い毒液が小屋全体をみるみる埋めていく。 部屋全体がそいつで満たされてたぷたぷになり、そいつにみんなが飲みこまれて麻痺してグラウンドゼロで、轟音とか爆音とかそういうのの内側にすっかりくるまれてしまったところで、その、鼓膜にぴっちりはりついたそいつがゆらゆら上下右左に揺れ始める。揺れ始めた気がした、というか。
そんなずうーっとばりばり感電状態のまま、物理的にもまったく身動きとれない状態で、これが1時間半かあ、しぬなあ、とおもった。
稼働中のMRIのまんなかに宙づり状態で漬けられてて、脳細胞が「きゅう」とか音をたてながら毎秒数万単位で死滅していくのを感じつつも、ここにあるのは細胞膜の内も外も含めて間違いなく音楽で、ここにはベースもドラムスもぜんぶ入っている - All Inclusive だねえ、とか。 ステージ上はもわもわでよくわかんないし、自由が効かないのでどうでもいいことばっかり考える。
こういうとこにデートに連れてきたらぶんなぐられるだろうなあ、とか、こんな下痢起こした腸内みたいなとこに押し込まれてそれで6500円、収容所のも含めたらぜんぶで10000円か、田舎のおっかあにもぶんなぐられるなあ、とか、とかそんなような。
50分くらいたったところでマイクの前にジャワ星人のかっこのひとが立ってがうがう唸りはじめて、それは収容所でお化けのひとがやってたのと同じようなかんじで、今日は異形のものに説教される日なんだわ、とも思う。
着陸態勢にはいったのは終わる20分くらい前か、でもぜんぜんおわらずにずっと低空で旋回してて、おばけのひとは赤いレーザー光でびゅんびゅんなんかやっていた。 今後は、もうそれやってもディズニーになっちゃうんだねえ。
終わって外にでたら少し眩暈がする程度で、耳鳴りはそんなでもなかったのが意外だった。
こういうライブって、よかった、とか、すげー、とか、そういう感想は出ないねえ。
(放心状態で)浸かった... とか、浴びた... とか。 鑑賞とも消費からも、断固遠くにある音楽。
で、おうちに帰ってからDinosaur Jr.と被っていたことを知って、泣いた。
一週間後だと思い込んでいた。 ばかばかばか。
11.08.2012
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