4日の日曜日、新宿で見ました。「預言者」。
2時間半。 おもしろかったー。
19歳でフランスの刑務所に放り込まれたマリクの生き残りとのし上がりの日々をじっくり。
いまどき珍しい気もする女っけゼロ、ストレートプレイ、てかんじ。
ノアール、ってかんじとはちょっとちがうかも。
所内にはコルシカ系とアラブ系の囚人の勢力争いがあって、数の多いコルシカ系が所内を牛耳っていて、マリクはそこの使いっ走りとして、手始めにあるアラブ系囚人の殺しを強要される。
それをなんとかやりとげて認められた後、だんだんいろんな「仕事」「雑用」を任されるようになる。 法改正でコルシカ系が多く出所してパワーバランスが変わってくると、アラブの言葉も使える彼は両グループの間を表に裏に行ったり来たりしつつ、「副業」も含めて着々と自分の足場を固めていく。
基本は闇の力が支配する塀の内側でじりじりと複数の線と力が交錯していくのだが、例えばジョニー・トーの映画のように土壇場で闇の奥の奥からどうしようもなく非情ななにかが現れて、ごん、さよなら、みたいなことはない。
それは時として、塀の外側の現実世界からの指令として入ってきたりして、外出許可を貰えるようになった彼は中と外の往復のなかで更に足場を広げていく。
塀の中と外、という線のほかに、もう一本別の線もあって、それがタイトルにも繋がってくるのだが、その出し方がなんかよいの。 イスラム教のなにか、どこか、もあるのかもしれないが、そいつが気がつくとそこらにいたりする。 なるほどぉ。
マリクの佇まいがなんかよくて、野心ぎらぎらでも、漲るなにかがあるわけでもなく(そのうちぶっ殺してやる、くらいはあるけど)、どちらかというと使いっ走りで周囲に揉まれながらじたばたやっていたら表に出ちゃった、みたいなとことか。
あとは周りの連中の極悪顔がどいつもこいつもすごくてさあ。
刑務所とか、入るもんじゃないねえ。
3.10.2012
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