3.07.2012

[film] Return of the Secaucus Seven (1979)

みっかの土曜日の午前中に見ました。
今回のシネマヴェーラの特集のめだまの1本。この1本は1本立てで午前中の回しか上映しない。
John Saylesの監督デビュー作であり、アメリカン・インディペンデント映画史の流れのなかでは(その興行的成功も含めて)無視できない1本。
BFIのScreen Guide "100 American Independent Films" にももちろん出ている。

でも、John Saylesだと、"Baby It's You" (1983) - Rosanna Arquette! - とか"The Brother from Another Planet" (1984) とかのほうが見たいんだけどなー。

Secaucus 7のSecaucusっていうのはNJの地名で、アウトレットなんかがあるとこで、この映画のタイトルでもある7人は大学の頃にワシントンに反戦行軍に行く途中にSecaucusで捕まった、そんなイベントを青春の輝ける勲章としている彼らのそれから約10年後を描く。

(そして、そんな映画に約20年ぶりに再会する)

David Strathairnとかもまだぴちぴちだねえ。

7人のうちふたりは教師になって同棲してて、その家に夏の休暇を過ごしに仲間がやってくる。
誰それは誰それと別れて、今は誰それとくっついている、誰それはまだふらふらしてる、誰と誰はやりまくるにきまってるから床に転がしとけ、云々。

で、実際に会ってみると輝ける7人だった彼らはみんな微妙に変なかんじで、川遊びしたりバスケしたりバーベキューしたり酒飲んだりセックスしたりしているうちに、だんだん昔のなにかが戻ってくる気がして、でもそれがなんなのか、それがどうだというのか、誰も確証を持てないままその時間は過ぎて、ふんわりと別れて、それぞれの毎日に戻っていく。 成長? うーん。

30前後という微妙なお年頃、そして夏という季節、こいつこんな奴だったっけ、こいつやっぱり、これならまだ、こんなんじゃ、云々、それぞれがそれぞれにぼーっと思って悶々したり、会話して確かめては納得したり。 どの会話もどこに落ちたのかあまりよくわからないままにぷつん、と切れて次に移る。 うん、再会なんてそんなもんだしね。 どうせまた会うだろ。

それまで、こんなような微妙で半端な空気と倦怠をアンサンブルに持ちこんだ映画はそんなになかったのかもしれない。そして、それでも十分におもしろいのだという不思議。

そうそう、これ見て思いだしたのは、去年みた"The Myth of the American Sleepover" (2010)だったの。 ああいう映画の源流としてもあるのかも。

でも、もうこんなかたちの再会ってなくなっていくのかしら。facebookとかで趣味も動向もぜんぶわかっちゃうしねえ。 つまんないねえ。

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