10日の土曜日の午前中、シネマヴェーラでみました。
公開当時は見てなくて、今回はじめてみた。
当時は、あんなのたんなるバカとブスの痴情沙汰話で、パンクとはなんの関係もねえじゃねえか、と突っぱねていた。 この映画とパンクを結びつけて語るバカを心の底からケーベツしていた。
でも歳とったら、そんなのどうでもよくなってくる。
Sid Viciousを演じたGary OldmanがGeorge Smileyを演じる時代がくるなんて、誰が想像しただろうか。 (同様に、Meryl Streepがサッチャーを… 以下同)
それに、最近のゴミみたいな邦画では、ごくごくふつうにクズ以下の音楽がロックとかパンクの文脈で通用してしまうようであるし、そんななかひとり突っ張ってても虚しいだけだな、と。
それに、このへんで見ておかないと、たぶんこの先死ぬまで見ることないかもしれん、とか。
映画はなんだか、ぜんぜんよかったのだった。
すれっからしの男と女がずるずると堕ちていく、そのBGMとして"No Feelings"や"Pretty Vacant"がわんわん鳴っている、そんなかんじ。
音楽映画としても、見ててケツの穴がかゆくなった"24 Hour Party People" (2002)なんかよか、ぜんぜんちゃんとしていると思った。 さすがAlex Cox、というべきか。
カメラの距離感がとてもよい。 どんどんからっぽに、すっからかんになっていく二人を間近からではなく、からっけつであることがわかる、背中のキズやかさぶたがわかる、乾いたゲロが確認できる距離と位置から撮っている。 (カメラはRoger Deakinsだったのね)
このブタ野郎!と周囲を蹴りまくったふたりがそのままブタとして腐れて堕ちていく、そこにはなんの救いも、ドラマも、マジックもなかった。
気がついたらNYのスタテンあたりまで流されていた。 落ちるところにだんだんだんと落ちただけだった、というそんな目線。
なんとなくジャンク版『断絶』ていうかんじもした。
そしてこれが86年というなにもかも退屈で半端だった年に撮られた、ということ。
ふたりがライブハウスで拾ってきたネコ、最初は子猫だったのに突然巨大化してなかったか?
ああ、はしたない言葉をいっぱい使ってしまったわ。
3.12.2012
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