27の晩はライブで、会社を午後休まないわけにはいかなくなった。
前にも書いたが、ライブのたびに休んでいたら有休なんてすぐ無くなってしまうだろう。
開始時間が7時とか、ほんとにほんとにやめてほしいんだけど。
というわけで、午後が空いたのでTIFFでいっぽんだけ、見ました。
今回のTIFFで見たかったのは、これと"Crazy Horse"くらいだったのだが、どちらも前売り開始当日の晩には売り切れていた。 でも、当日昼の1時にいったら当日券はふつうに買えた。
これの仕組みがよくわからない。 だって、こういう映画の前売りがすぐなくなるなんて、ありえないよね。 だれがいったい買い占めているの? なんでそんな簡単にリリースできるの?
終盤の平日の昼間だったかもしれないが、会場は静かでぜんぜん映画祭のかんじはなかった。
例によってスポンサーのCMがわんわん。 日本のCMはいつからあんな屑みたいのばかりになってしまったのだろうねえ。
と、愚痴は置いておいて、Filmは、すんばらしくよかった。
『メカス×ゲリン 往復書簡』。
往復書簡として、Guerinが旅先の"Guest"として、"Guest"の目で撮ったものとMekasが自宅周辺でラフスケッチとして自由に撮ったものを交互に並べる。いや、並べるだけではなくて、お互いの映像に反射し、お互いの生に"React"するかたちで、Guerinの世界とMekasの世界が反響していく。
世界を可能な限りフレームの中に置いて考える、フレームの中と外の関係のなかで生真面目に世界を捕えようとするGurinに対して、「また道を誤ってしまった」とか言いつつ、自身がカメラとなって世界の境界をひょいひょい跨いでぐいぐい拡げていくMekas。 Guerinは移民としての、越境者としてのMekasを師と仰ぎ、MekasはパダワンGuerinの真摯な問いにユーモラスに、堂々と応えていく。
言葉のやりとりだけではなくて、映像でもきちんと呼応していくところがよいの。
最後のやりとりに出てくる、マンハッタンの歩道でうずくまって飛べなくなってしまった鳩さんと、北鎌倉のお墓で干からびたミミズを何度も何度も墓石の上に運ぼうとして失敗する蟻さんの対比には言葉を失う。 あんたたちって。
それにしてもGuerinの映像の端正で美しいこと。
スロヴェニアから映画関係者として参加した女の子、その後マニラで突然殺されてしまった彼女の目の強さ、そこにこそ映画を撮る動機はあるのだと言い切るGuerin。
更に、最後の日本からの手紙。これが2011年の日本で撮影されたものだとはとても思えない。
日本映画のクラシックにあった風景がそのままさらりと再現されてしまっている。
去年のFilm Comment Selectsで"Guest" (2010)も見ておけばよかったなあ。
と、Guerinに感嘆する一方、やはり目線はMekasのNY日記のほうに吸い寄せられてしまう。
なんでさあ、パンとチーズとサラミとワインだけで、あんなおいしそうに見えるんだろう。
板の上で生ガーリックをスライスしたのをそのまま齧るだけ、瓶からそのままピクルスを引っこぬいて齧るだけなのに、涎がとまんなくなるの。
ちなみに出てきた瓶ピクルスはここの。
http://www.mcclurespickles.com/
あと、ジャームッシュとの会話で出てきた「ほんもんのイタリアン」はここ。
http://romansnyc.com/
次に行ったときぜったい行く。
ちなみにこの会話があった2010年11月18日は、AFAでジャームッシュのTalk&上映があったのを憶えている。 この日はCharlotteから帰ってきたのだった。たしか。
あと、12月26日の大雪の模様も映画にでてくるねえ。
楽しかったなあ ... (涙)
10.30.2011
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