10月31日、金曜日の晩、BFI Southbankで見ました。
特に宣伝していたわけではないが、BFIでは地味にこの日だけのハロウィン特集をやっていて、ここの2本と、BFI IMAXでは23時過ぎから”The Rocky Horror Picture Show” (1975)などを上映していた。ドキュメンタリーも上映されていたし、後楽園シネマ以来見ていないし行こうかな、って少し思ったがひとりで行っても楽しくないのでやめた。
Cindy Shermanの最初の、今のところ唯一の長編映画監督作品で、見たことなかった。よいかんじの35mmフィルムでの上映。
脚本はCindy Shermanを含めて4人、うちひとりはダイアログ監修としてTodd Haynes。音楽はEvan Lurieで、ちょっとつんのめったラテン、タンゴ風味で軽快に(ホラーのサウンドトラックではないかも)。
舞台はアメリカのどこかの都市 - NYではないような - の雑誌の編集部で、Kim (Molly Ringwald)とかNorah (Jeanne Tripplehorn)とかいきのいい若手が火花を散らしているものの売り上げはよくないので、オフィスの隅っこにいて地味でちょっと気味悪がられているDorine (Carol Kane)は総務のようなところに異動+在宅にされて、そんなある晩にPCの修理で電源をいじっていた若者♂がDorineの目の前で感電してコロリと死んじゃって、それを見ていたDorineは彼の死体を自宅に運んで地下に安置して、オフィスの上司名で社員宛に彼は出社していないけど大丈夫だから、とかメールを出す(昔のメールシステムは割とこういうことができたの)。
この件がきっかけになったのか、Dorineの殺人→死体を自宅の地下に運ぶ - は職場の同僚だけでなく頻繁に、しかも自分から積極的に殺しにいくようになっていくのだが、誰にも - 自宅には体の不自由で口うるさい母がいるのだが彼女にも - ばれないし、会社のみんなは突然消えちゃったけどおかしいなー、くらいで、家の猫だけが死体をがりがりしたりしている。
殺しの場面が生々しく描かれず、死体が滑稽な格好をして並べられているだけだし、なによりもDorineがそんなことをする動機がわからないのであまりホラー映画としての怖さは感じられなくて、その表層の晒しの微妙な異様さだけで何かを語らせようとするのは、彼女の写真と同じところを指向しているような印象があったかも。彼女のポートレートはDorineのやっていることと同じようなものだ、とまでは言わないけど。
The Hunger (1983)
↑のに続けてBFI Southbankで見ました。
これは恥ずかしながらこれまで見たことがなくて、この頃のBowieには、こんな映画にでてないで、”Let’s Dance”とか言ってないで、ちゃんとした音楽作って、ってずっと思っていた。ことを思いだした。
最初は兄のRidley Scottのところに話が行って、でも兄は”Blade Runner” (1982)で忙しく、マネジメントが同じでCM業界にいた弟、Tony Scottに振って、これが彼の監督デビュー作となった。原作はWhitley Strieberの同名小説を緩く翻案している。
冒頭、いきなりBauhausの”Bela Lugoshi's Dead”が聴こえてきて(イントロですぐわかる)、あらあら? と思っているとPeter Murphyの顔が大写しになるのでなんだこれは? になった。(エンドクレジットでは、Disco Band … Bauhaus と出るので場内爆笑..)
現代のNYに暮らすMiriam Blaylock (Catherine Deneuve)は古代エジプトの頃からずっと不死でやってきているバンパイヤで、パートナーらしいJohn (David Bowie)と一緒にBauhausが演奏していたクラブで若者を引っかけて、Johnと暮らすタウンハウスに連れこんで吸血してポイ、をしたりしている。
と、Johnが急に老けこんできて、病院に行っても医師のSarah (Susan Sarandon)は忙しくて相手をしてくれなくて、そうしているうちなJohnはどんどんよぼよぼのおじいさんになっていって(ここ、シリアスな描写なのだろうがなんかみんな笑ってしまうのだった)、やがてMiriamはSarahと恋仲になって…
まだとんがったCM表現がハイアートとみなされていた時代のビジュアルは見事なのだが、彼ら全員が美しく磨かれて映しだされればされるほど、なんとなく笑いが滲んできてしまう。この傾向はTwilight Sagaにもある気がするのだが、なんなのだろうねー、って思った。不老不死って、どこか滑稽に見えてしまう要件があるのだろうか。
それだけかー、なのかもしれんがハロウィンなんてこの程度でよいのだ、って夜道を(振り返らずに)小走りで帰った。
11.09.2025
[film] Office Killer (1997)
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