3月22日、金曜日の晩、Picturehouse Centralで見ました。
公開初日の金曜日の晩なのに、10人くらいしかいなかった… 考えられる理由:①金曜日の晩に映画を見る奴なんて ②アメリカの幽霊話なんてちゃっちくて見てられない
“Ghostbusters: Afterlife” (2021)からのキャストと背景/事情をそのままNYに持ってきた続編で、監督だったJason Reitmanは脚本のほうに、前作で脚本を書いていたGil Kenanが監督になっている。
舞台がNYに移ったというのに”Ghostbusters” (2016)が完全になかったことにされているのはまことに腹立たしい。このシリーズもこれを最後に消えてくれていい(というくらいこの件については頭に来ている – SONYに)。
Callie (Carrie Coon)、Gary (Paul Rudd)、Trevor (Finn Wolfhard)、Phoebe (Mckenna Grace)の半家族はオクラハマの田舎からNYに移ってきてWinston (Ernie Hudson)の所有するFirehouseを拠点にGhostbustersをやっていて、Janine (Annie Potts)もRay (Dan Aykroyd)もDr Venkman (Bill Murray)も出てくる(顔をだす口を挟む、という程度だけど)し、かつていじわるだったWalter Peck (William Atherton)は市長になってて、相変わらずいじわるで。
そこに怪しげなNadeem (Kumail Nanjiani)がやってきて、彼の持ちこんだ祖母の遺した丸い塊りからなんでも凍らせてしまうお化けがでてきてびっくり… というそれだけなの。
1984年の最初の”Ghostbusters”が大好きだったので、ついあれを基準にして見てしまうのだが、なんかやっぱり… Ivan Reitmanに捧げる、って最後に出てきて、過去のシリーズの人たち(2016年版を除く)もみんなやってきて楽しいのだが、これ、基本であるべき幽霊退治のどたばたコメディ、ではなくなっているような。なんでも凍らせるモンスターが古代のなんかから解き放たれ蘇ってパニックを巻き起こす – それをやっつけろ! ってだけで、大切な人に幽霊 or お化けが取り憑いてどうしよう.. 助けにいくから待ってろ! のちょっと怖くてどうなるんだろう? の従来の路線のはどこかに行ってしまった。かわりにあるのが、幽霊退治の活動を禁じられ、家族から孤立してひとりぼっちのPhoebeが幽霊のMelody (Emily Alyn Lind)に儚い恋をするとこで、ここ、悪くはないけど全体の流れの中ではなんか浮いてしまっている。
あと、NYの街を氷まみれにしたってあそこの住民はそんなの慣れているので効かないと思うよ(だから町中が騒然となるようなシーンがそんなに描かれないし、囲われた狭いエリア内でバトルしているだけ、に見えてしまう)。
1984年版でマシュマロマンの頭がビルの隙間から見えた瞬間の鳥肌、というのが自分のなかにはまだはっきりと残っていて、あれと同じくらいでっかいのが現れて圧倒してくれないのはとってもつまんない。代わりにちっちゃいマシュマロマンがグレムリンみたいに大量に出てくるけど… (あれはずるいわ)
オリジナル版のRick Moranisに相当しそうなおとぼけキャラ、と言えそうなのが今回のKumail Nanjianiで、彼のまわりだけ変な風が起こるのだが、ここ以外の若いバスターズ – 特にぜんぜん活躍しないFinn Wolfhardとか - は極めて弱いと言わざるを得なくて、あれじゃ幽霊たちには勝てなさそうな。
この週末にやはりサブタイトルに”Empire”の付いたフランチャイズで、ポスター見ただけでろくでもなさそうな怪獣ものが公開されるのだが、あれ、だれも止める人がいなかったのだろうか?
自分のなかで文化とかアートとか、その周辺について見たり考えたりする時の基本線のようなものを教えてくれたのは、まずRaymond Williams、続いてTerry Eagletonで、いま英国にいるのも彼らの著作に触れたことが大きかったと思うのだが、今日ついに、Terry Eagletonのレクチャー(&歌)を聞くことができた。 なんとなく節目の季節にうれしいことでした。
3.28.2024
[film] Ghostbusters: Frozen Empire (2024)
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