6日、日曜日の昼、CurzonのVictoria - 映画館で見ました。やっぱり客はじぶんひとりしかいなかった。
これの予告を見たのは随分昔 - 2018年くらいのNY - でずっと塩漬けにされていたよう(時間もカットされているみたい)だし、案の定どこのレビューもぜんぜんぱっとしないのだが、でもいちおうX-Menのシリーズだし、”Emma.”のAnya Taylor-Joyさんが出ているし、監督・脚本は”The Fault in Our Stars” (2013)のJosh Booneだから、見る。 わるくないよ、ぜんぜん。
ティーンのDani (Blu Hunt)が夜寝ようとベッドに入ったら地震だか竜巻だかみたいな揺れと轟音に襲われて、訳がわからないまま父親に連れられて家を飛びだして、大きな樹の穴に隠れるように言われて、父親とはそれきりになり、次に気がつくと隔離病練 - John Carpenterの“The Ward” (2010)みたいな - ところに入れられていて、Dr. Cecilia Reyes (Alice Braga)が診ている。
そこに入れられているのは他にRahne (Maisie Williams)、Illyana (Anya Taylor-Joy)、Sam (Charlie Heaton)、Bobby (Henry Zaga)の4人で、やさしいRahneを除けばみんな拗ねた不良みたいなかんじで、Dr. Reyesは怖くはないのだが冷たくて、逃げたければどうぞ、っていうのだが逃げようとすると電気網みたいのが張ってあって外の世界に出ていくことができない。
そうやって施設のなかで5人で過ごしていくうちにDani以外の4人はみんなミュータントで、それぞれの事情背景や能力が明らかになっていって、ふん、だからなんだってのさ、なのだがDaniだけはなんでここに入れられているのか解らなくて、Dr.がいろんな検査を続けても解らなくて、でも計器類は変な兆候や危険域にあることを示したりするので、面倒だから処分しなさい、って(Essex Corp.から)指令がくだって..
Josh BooneがJohn Hughesの崇拝者であることからも、これはやっぱり”The Breakfast Club” (1985)のミュータント版として見てあげるのが正しくて、同じようなテーマの”X-Men: First Class” (2011)と比べると、あっちがミュータントとしての自身の能力を発見する・目覚める、というところがメインだったのに対し、こっちは互いに認めあって連帯する・力を合わせる、という方がやや強調されている気がする。男女比がこちらでは少し変わっているのと、恋の要素もほんの少ししかなくてLGBTQが挟まったりするのは今ふう、だったりする? (欲を言えばAnthony Michael Hall ポジションの誰かがほしかった)(もういっこ言うと、父親というテーマもちゃんと入っている)
それぞれに逸れ者で問題を抱えている5人が休日に学校に連れてこられて隔離監禁されて、という”The Breakfast Club”のシチュエーションは、ミュータントもののテーマにもきれいにハマることを見つけたのはよい、のだけど監視勢力と戦ったり敵をやっつけたりする方がちょっと弱くなっちゃったかも。あれだけの施設を見ているのがDr. Reyesひとり、っておかしいし。
それぞれがどんな能力なのかは、あんま書かないほうがいいかも知れない(オリジナルのコミックにはあるんでしょ?)けど、Illyanaのはこれまでになかったタイプの気がするし、最後に正体を現すDaniのやつはぜったい画期的ですごくてJean Greyのより強いと思うしもっと見たいし。 だからこれで終わりにしないで次も作ってほしい。それかせめて”Deadpool”の方で.. (こないだのはもう既にその路線かしら)。
ほんとうはこうやってミュータントが確認されても企業が囲ったり国が騒いだりすることなく、彼らがバンドやったりスポーツしたり恋をしたり、たまにピエロと戦うくらいの青春ドラマがもっとふつうにあってもよいのではないかしら。 それか『高慢と偏見とミュータント』みたいなやつとか。
どうでもよいことなのだが、さっきBBCのTop of The Popsの80’sベストみたいなのをぼーっと眺めていたらJona Lewieの“You'll Always Find Me In The Kitchen At Parties”の背後で歌って踊るKirsty MacCollさんを見つけて嬉しかった。
9.13.2020
[film] The New Mutants (2020)
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