11月30日、土曜日のお昼、毎年恒例のクリスマス映画特集が始まったPrince Charles Cinemaで見ました。 これもその特集からの1本。 35mmフィルムでの上映。邦題は『桃色の店』(もういっこあるらしいけど、こっちでいい)。
何回でも何回でも見返したくなるErnst Lubitschの名作で、VHSも持っていてもう何回も見ているのだが、クリスマスが近づくとなんだか見たくなる。”Meet Me in St. Louis” (1944) なんかもそういう1本かも。 昨年は”It’s A Wonderful Life” (1946)の4Kリストア版で盛りあがっていたが今年はそういうのあるのかしら?
ブタペストの街角にある革製品のギフトショップで働くAlfred (James Stewart)はやかましい店主のMatuschek(Frank Morgan)の下でなんとかやっていて、強引に店に雇われにきたKlara (Margaret Sullavan)とか他の店員との仕事上のあれもこれもまったくもう!なことばかりなのだが、唯一の希望は文通している彼女のことで、彼女との手紙のやりとりの中でのみ自分はほんとうの自分になれて、彼女のほうもそうなんだろうな、と感じることができるし、それがあるからたぶんそのうち(もうじきクリスマスだし)彼女に会えるし会いたいから、そこをめざしてなんとかやっていくんだ、って。
それにひきかえさー、といちいちカチンとくるKlaraの態度とか見るたびにあーあ、になって、でもなんとか文通の彼女と対面すべくやってきたカフェで妄想のなかにいた彼女がKlaraであることがわかった時のAlfredの挙動とかほんとうにおかしくて、James Stewartうまいなー、って。このカフェの場面の期待が気球のように膨れあがってクラッシュしてそれでもなんとか持ちこたえて.. の彼の乱高下と彼女の平熱応対のところ、映画史上に残るくらいすごい場面だと思うんだけど。
こうしてクリスマスなのに、クリスマスに向けた大作戦は失敗に終わり、でもクリスマスだから起こることは起こるべくして起こる。それがふたりだけでなくてブタペストの街角の小さなお店ぜんぶの、みんなに向かって起こる。それこそがクリスマスというやつのスーパーパワーで、このテーマを宇宙規模にまで拡げてみせたのが”It’s A Wonderful Life”なの。
この辺、昨今だと誰かと会う – 特にデートとかの – 時って互いのプロファイルを全開にして事前情報として押さえて- 知っておかないとやっぱ怖いし危ないし – だからこういうことが起こりにくいのかも知れないけど、ほんの20年前、“You've Got Mail” (1998) の頃だとまだこういう大冒険みたいなスリル満点のでんぐりが起こる可能性はあったのよね。 “You've Got Mail”はこの映画のリメイクというほどではないが影響下にあると言われていて、公開当時はそりゃないよ、て思ったものだが、最近TVで見直したら、そんな悪いかんじはしなかったかも。
これSNS禁制となった近未来でリメイクするとしたら主役のふたりは誰かなあ、とか考えることがあって、男性はほぼAdam Driverではないか、と思うのだが、女性のほうは誰かしら? って。 やはりMeg Ryan 的な女優の不在って大きいねえ。Daisy Ridleyでもいいけどさ(ずっと仲がいいのか悪いのかわかんないままのあのふたり)。
ところで、“Fairytale of New York”がUKでもっともポピュラーなクリスマスソングだったという記事。 “Last Christmas”じゃないのか..? そしてSladeが入るのもすごい。
https://www.theguardian.com/music/2019/dec/04/fairytale-of-new-york-uk-most-popular-christmas-song-pogues-accusations-homophobic-slur
あと、このリストの1位はあんま納得いかない。 2位と3位はなっとく。
https://www.theguardian.com/music/2019/dec/05/the-50-greatest-christmas-songs-ranked
12.05.2019
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。