12.24.2019

[film] Star Wars: The Rise of Skywalker (2019)

19日の深夜、より正確には20日の0:30amにBFI IMAXで見ました。このシリーズの封切り(ep1以降)の際はこれまでずっとNYにわざわざ飛んで見てくるのが恒例だったのだが、今回のはなんかばたばた慌しくて、Londonでの初見やむなし、となった。 ネタはバレているかもしれないしいないかもしれないし。

この晩、これの前にはBFI Southbankの方で”Little Women”のPreviewがあり、膨らむ歓喜と共に終わったのが20時半過ぎ、一旦うちに帰ってなんか軽く食べて軽く寝て(でも寝れなくて)、23:30過ぎにWaterloo の方に向かった。終わってからどうやって帰るのかは、考えるのも面倒だったので白紙で。

78年に最初の1本- ep4を見て、これは米国では既に大ヒットしているのに日本では屑な配給会社のせい(日本の配給会社に対する不信と不満の根はこの頃から)で散々待たされ焦らされ、そのため公開された後には朝に映画館に入ったら一日中そこで見る - 当時は各回入替制なんてなかったから - ようなことをして50回くらいは見たはず。で、その頃からこのサーガの全体は3部 - 9エピソードから成ることはわかっていて、でも途中でルーカスの最後の3エピソードは作らない宣言もあったりしたので、まさか40年後にその最後の最後の1本を見ることができるとは。よく40年もぬくぬくダラダラ生きてこれたもんだわ。恥をしれ自分。

他方でこのファイナルを飾る作品に対する期待はとっても地味でlowで、なんでなのかな、と83年の”Return of the Jedi”の公開初日の晩- 新宿歌舞伎町のシアターで朝まで3回連続で見た - のヒステリックな熱狂を思い出したりしていた。

もうここまでのいろんな積み重ねと、前作”The Last Jedi”でLuke (Mark Hamill)が夕焼けにの向こうに消えてしまった後では、”Return of the Jedi”のラストにあったような爽快感なんて望めないし奇跡の大逆転なんてありえないしぜったい誰かが誰かのなんかの犠牲になって針の穴を抜けるような苦い勝利しかやってこないことはわかっていた。

それがこのサーガ全体を覆う暗い世界観 - 戦いに身を投じるものはみなダークサイドに堕ちたり直面したりして不吉で不幸な運命を辿る、という呪縛 - なのだし、ルーカスが最後の3つを一度は棄てた、というのもこの最後の落としどころに十分な確信を持てなかったからではないのか。

政治抗争の背後で揺れ動き翻弄される家族・血縁・結社の運命を描いた第一部、どん底の危機からならず者達を組織した反乱軍が新たな希望と共に奇跡的な勝利を収める第二部 - この部分がもっとも活劇の要素が大きい(ので最初に映画化した) - そしてそれでも揺り戻しつつ蘇る悪の亡霊たちとの止まない攻防のなか、試される者たちのドラマが描かれる第三部 - やっぱり最後のパートがもっとも地味で既視感に溢れてしまうのは仕方のないことなのかー。

というわけなので、どっちが勝ったからどう、とか、誰が生き残ったからどう、という筋の運びについては、スポーツのゲームではないのだし割とどうでもよくて、これまでの展開やキャラクターの造形から、ま、そうなんだろうな/こうなるよね、くらいで、いやそこはどう考えてもそっちじゃないのでは、というところはあんましなかったように思う。

ただいっこ、これはサーガ全体を通して言えることでもあると思うのだが、ルーカスも、今回のJJAにしても恋愛なんてどうでもいい、興味ゼロのなにかとして彼らの中にはあるようで、特に今回はその辺がなかなかしんどいかも。大昔の銀河系にはそもそもそんなもんなかった、としてしまえばよいのか。

あと、自分が誰であるのか、自分は誰の血を受け継ぐものなのか、その記憶や名前の喪失と獲得がテーマのひとつとしてあるよね。個の覚醒、といってしまえばそれまでだけど。

あと、Kylo Ren (Adam Driver)って、結局最後まで俺は最強だって大見得きりつつもあまりぱっとしない報われないかわいそうな位置に置かれていて、祖父はかつて帝国の支配者までやっていたのに、なんでかしらあんなことでよかったの? ていうあたり。次のはObi-Wanものになるらしいけど、そのうちKylo Ren の少年時代をRichard Linklater氏あたりに映画化してほしい。 なぜ”Ben”はKylo Renにならねばならなかったのか、を。

ラスト、タトゥイーンで自分の名前を名乗ったRey (Daisy Ridley)は、その一年後に父親のいない子供を産むことになるに違いない。こうしてサーガは反復 - 再生産されるのね。

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