今年も開催されたSundance Film Festival London (5/30 - 6/2) で、5月31日の晩に見ました。
ここで上映されたやつは後になって正式公開されることが多いことがわかったので今年はそんなに焦らずに取れるチケットだけ取ってみた、程度の。
どうでもいいけど、昨年ここでサプライズ上映された”American Animals”とか、これとか、今回の企画でかかった”Corporate Animals”とか、Animalsタイトルがはやりなのかしらん?
英国のEmma Jane Unsworthさんの同名小説(未読)を元に原作者が脚本も書いて、オーストラリア人の監督がアイルランドで製作した作品。どんなものかぜんぜん知らずに見たのだが、なかなかおもしろかったかも。
夜になるとキツネがうろついてて、ノラ猫がそれを睨む、そんなダブリンの街角でLaura (Holliday Grainger)とTyler (Alia Shawkat)はずっと友達で、バーでつるんで呑んだくれて遊んでて、ふたりでシェアしているアパートに戻ってくると同じベッドに寝て明るくなるとぼーっと目覚める、みたいなことをずっと繰り返していて、Lauraは作家になりたくてずっとノートに断片を書き留めているのだがPCに打ち込む段になると指が止まってしまう。結婚していたLauraの妹が妊娠したときいて、あー、になったあたりでピアニストのJim (Fra Fee)と出会って仲良くなって、少しづつTylerとは疎遠になっていくのだが、それでも酔い潰れたりドラッグでラリったりは続いていて、やがてJimにプロポーズされるともう乱痴気騒ぎはさすがに、になるのだが、それでも揺れるなにかはあって朗読の会で知り合ったMarty (Dermot Murphy)とちょっとだけ遊んで後悔したり。Lauraから少し離れてしまったTylerはつまんなそうだけど相変わらずひとりでぶっとばしていて、そんなふたりはどうなっていくのか。
呑んだくれパーティ女子の、そんなに弾けていかないバディもので、彼女たちの周りに結婚とか出産とかが見え始めたとき、ふたりの関係はどんな変化を見せるのか。ていう本当に昔からあるテーマで、こういうのを町に潜む夜の動物たち - キツネ、猫 – 飼い猫だけど、蜘蛛 – とかをちらちら見せつつ、彼らが朝の光に直面したときにどう動いたり隠れたり荒れたりするのか、などなど。
ありがちな落としどころ、みたいなところには向かわず求めず、ほっとけもう、ってノラに戻る、そんな荒っぽさふてぶてしさと、その表情を丁寧に追って掬いあげようとする繊細さが同居している。
そしてふたりの佇まいも、小さなタトゥーまで含めて、すべてあるべきところにはまっているかんじ。特定の場所でしか生きられない生き物のように見えてじつは。
ふたりのボロアパートが素敵で、書き物机のところにはVirginia Woolfの”A Room of One’s Own”の古本 - これと全く同じやつを買おうかどうかずっと悩んでいる - のカバーとか、Howard Springの(タイトル忘れた)とか、Mauritshiisにあった”The Goldfinch” (1654)の絵とか、いろいろ貼ってあったり。
あと、ふたりともずっと白ワインをぐびぐび、ほんとおいしそうに飲んでいるの。
上映後のQ&Aには、監督のSophie Hydeさんと主演の二人がでてきて、言葉のアクセントのとこも含めたいろんな苦労とか。
これまでの映画で描かれた女子ふたりの友情物語で印象に残っているのは? という質問にAlia Shawkatさんが”Girlfriends” (1978)を挙げていて、嬉しかった。 これも結婚したり子供ができたりいろいろあって腐れたりしながらもなんとなく続いていくふたりのお話だったねえ。(あとのふたりは”Frances Ha” (2012)と”Lady Bird” (2017)を)
劇中でふたりが始終舐めている粉はMDなんとかっていうドラッグなのだが、中身はキャンディをくだいたやつだそう。
6.05.2019
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。