こっちを先に書く。 英国なのでもちろん10連休なんてないのだが、Bank Holidayの3連休はあって、6日、月曜日の昼間にLeicester Squareのシネコンで見ました。
最近はものすごくevilなサイコ犯罪ドラマとか、coming-of-ageの物語とかはいっぱいある – たぶん時代を反映しているのよね – けど、正調のRom-comがなかなかなくて飢えていたので狂喜して歓喜してみた。 時代の要請にもぴったし応えるすばらしい作品だよ。
Brooklynの独立系ペーパーで記者をしているFred (Seth Rogen)がネオナチの集会に潜入してカギ十字のタトゥーを彫らされる手前でばれて放りだされるとこが冒頭で、会社に戻ってみれば自分たちのペーパーはメディア王Wembley (Andy Serkis) – 超右寄り - のグループに買収されるというのでふざけんな、って辞めて次のところを探し始める。
Charlotte Field (Charlize Theron)はばりばりのUS国務長官で、ある日大統領(Bob Odenkirk)に呼ばれて自分は(元はTV出身だったし)映画の世界に行きたいので次の大統領選には出たくない、そこで替わりの大統領候補には君を推そうと思う、って言われて舞い上がり、選対チーム(Lisa Kudrow, June Diane Raphael)もよっしゃとりあえずはもうじきの環境保護対策のサミットで実績を作ることだ、と気勢をあげる。
職を探して燻っているFredは親友のLance (O'Shea Jackson Jr.)に連れられてチャリティのイベントに行ってみるとそこでCharlotteとばったり出会う。 Fredより3つ年上の彼女はかつて彼のベビーシッターで、当時の甘苦い思い出もあったりしたのだが、その晩、Fredの過去記事を読んでみたCharlotteはこれだ! ってなって彼をスピーチライターとして自分のチームに入れることにする。
服装は常にぼろカジュアルでどう弄ってもぱっとしない外観のFredを選対チームは煙たがるし、彼の書いた原稿は国際サミットで話す内容としては刺激が強すぎるからと赤が入って衝突もするのだが、あれこれなんとか乗り越えてだんだんにふたりの距離は縮まっていって、マニラでテロだか革命だかに遭遇して間一髪の危機を脱して気持ちが昂ぶったふたりは..
その後、周囲に関係がダダ漏れしつつもどうにか繕ってやっていくふたりだったが、Charlotteにずっとしつこく絡んできたWembleyがどうしようもない無理難題をふっかけてきて、今後のキャリア(大統領)をとるかFredをとるか(こいつのどうしようもない動画をばら撒くぞ)になって、一旦はぜんぶおじゃんになったと思ったのだが..
最初、Charlize TheronとSeth Rogenのrom-comと聞いていやいやいやいくらなんでもそれは、て思ったルッキズムに冒されてる人達はこれ見て十分に反省してほしい。 しかも”Pretty Woman” (1990)みたいな金持ちエリートが捨て猫を拾う成り上がり夢物語ではなくて、それは子供の頃からずっと続いてあなたを押していたなにかだった(ことに気づかされる)という。つまりあなたは10代の頃になりたかったあなたになれていますか? ていう(わーん泣)。
これ、男女の立場が逆だったらworkしただろうか? と。女子側がAmy SchumerだったりMelissa McCarthyだったりしたら、もちろん十分におもしろいものにはなるだろうが(ref.Bridget Jones)、でも今はやはりこっちなのよね。 それは世界中のSeth Rogenに輝け、って言っているのではなくて、世界中のCharlize Theronに世界中のSeth Rogen数千人を束ねて踏んづけてもいいから前に行け! って言うの。
それにしても、Charlize Theronの作品ごとの高低差 - ”Young Adult” (2011)とか”Tully” (2018)あたりのダメ女系から女王とか殺し屋とかの頂上君臨系まで – に毎度のことながらくらくら痺れる反対側で、Seth Rogenはどこまでいっても断固一貫してSeth Rogenでしかない – はっぱとクスリでガハガハのげほげほで、自ら落下したり落下するものにぶつかったり、Boyz II MenやBackstreet Boysがテーマで、でもきっとそんな彼がたまんない、ていうひともいるんだろうな、ていうことはじゅうぶんにわかった。ハリー王子(祝)もそういう系なんだろうし。
他にも、エンタメ系への進出しか頭にない大統領とか、外見はきれいだけど中身空っぽなカナダ首相とか、明らかにRupert Murdochなメディア王とか、いろんなあてつけもたっぷり。
音楽はCureの”Close to Me”とか、Springsteenの“I'm on Fire”とか、”Then He Kissed Me”とか割とこてこてなやつがいっぱいで、今回はRoxetteの“It Must Have Been Love”に尽きる。この曲があんなに感動的に鳴るなんて誰にも想像できなかった。
監督のJonathan Levineは前作の” Snatched” (2017)もよかったけど、“The Night Before” (2015)以来だろうか。 脇にいる人たちの動かし方もとってもうまい。
Seth Rogenの部屋の積みあがりっぷりが他人のとは思えなかった。でもCharlotteは気にしていなかったようなのでだいじょうぶ。
この次は”The Hustle”がきて、そして”Booksmart”がくる。5月はこれで乗りきる。
5.07.2019
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