5.29.2019

[film] John Wick: Chapter 3 - Parabellum (2019)

18日の土曜日の昼、CurzonのVictoriaで見ました。
ところで「ぱらべらむ」ってなに? と思ったら劇中ででてきた。

前作にあったようにJohn Wick (Keanu Reeves)のクビに多額の賞金がかけられて、前作前々作以上に走って逃げて殺しまくる、そういうやつ。元々は妻だか犬だかが亡くなって引退しようとしたのに許されなくて止む無く闇の世界へ、ていう設定だった気がするが、もうそんなの彼方に吹っ飛んでしまって、世界中の殺し屋がJohn Wick目がけて襲いかかっていくのをひたすら手と足と棒と銃と、あらゆる道具と身体ぜんぶ使って蹴散らしていくだけ。 これだけでよく2時間以上(131分)もたせられるよね、と感心はする。

John Wickはかつて属していた組織の重要な掟をものすごく破ってしまったらしく、彼を庇ったり匿ったりしたもの - Anjelica HustonとかLaurence Fishburne - はさようならで、でも唯一、モロッコにいたHalle Berryにはむかし義兄妹の契りを結んだよな、って迫って組織の偉いひとと会うみちを教えて貰って、それと会って延命の取引きをして、で、都会に戻るのだが…

まずいっつも思うのは、そんなに妻とか犬が恋しいならとっとと殺されて楽になっちゃえばいいのにそうすれば敵方も大量に死ななくてすむのに、なのだがそこには絶対いかないの。彼女の思い出を繋いでいられるのはいまの自分の生だけなのだ、ていうどうしようもない思いがあるからか、向こうがどれだけ束になってかかってきても死なない。他方で彼をドライブしているのは強い怒りとか憎悪とかMissionとか、そういうヒーローみたいな大層なもんではないので、その点はちと弱いのだが、でもその弱さがものすごく強くて少なくとも死なないし死ねない、雑巾みたいになっても死ねない、そんな闇と光の中間で淡く瞬く殺し屋のありようを描いているのではないか、とか。

あと、John Wickを狙って群がってくる連中って一発でやられることはなくて、2~3回撃ったりしないとドドメは刺せなくて、ゾンビみたいなの。たぶんヤクザの抗争モノ、ていうよりはいろいろ不可視で多層ななにかに支配されたゾンビ世界ものとして見たほうがすっきり腑に落ちるのではないかしら。マンハッタンの地下鉄とか普通の通りとかにあんなにうじゃうじゃ殺し屋さんたちがいるとは思えないしね。

格闘のコレオグラフというか動きの速さ見事さみたいなのでいうと、たまーにおおすげー、ってなるものの、大昔にJackie Chanものでいろいろ見たときほどの鳥肌が立ったりしないのはなんでだろ? 単に見たときの歳のせいかしら、とか。 なんかね、John Wickの動きって重力をあんま感じさせない- 軽いかんじで、そういう重力の薄い、命も軽めの世界のお話しなのだと言われればそうなのね、と。 Jackie Chanのはうんと訓練と修行を積めばできるのかもしれないけど、John Wickは訓練してもできない気がする。銃ないし。

で、ラストで納得するの。 これ、"Matrix"の世界なのかー、って。
だから虫みたいにいくらでも湧いてくるし、Public LibraryからChina Townまでもあっという間に移動できちゃうのだし、あのホテルは..

なんか、John Leguizamoとか死体掃除人のおじいさんとかがいた最初の方がのどかで楽しかったかも。

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