4月30日火曜日の晩、CurzonのAldgateでみました。 監督はNeil Jordanなのだった。
NYのレストランでウェイトレスをしているFrances (Chloë Grace Moretz)は友達のErica (Maika Monroe)とルームシェアをしていて、でも最近母親を亡くしたので塞いで外出はあんまり、そんなある日、地下鉄で座席に置いてある鞄(忘れ物?)を拾う。
鞄の中を見てみるとIDが入っていたので、そこにあった住所に鞄を届けにいくと出てきたのがGreta (Isabelle Huppert)で、とても感謝されて喜んでお茶を淹れてお喋りする。
ピアノの個人教師をしている彼女は娘と離れ離れになっていて、Francesも母を亡くしたばかりだったし、互いにしんみりしたりしつつ一緒に料理を作ったり歌ったり仲良くなっていくのだが、ある日戸棚の奥に彼女が拾ったのと同じ鞄が沢山並べてあって、その裏に名前と電話番号を書いた付箋があったのでこれは.. と寒気がしてもうGretaとは会わないようにする。
そうしたら彼女からものすごい数のtextとか着電が来るようになって、勤務先のレストランの外で待ち伏せされたり、典型的なストーカー攻撃にさらされることになり、警察に相談してもまずは彼女と話してみなさいどっちにしても適切なケースとして認定されるのには時間がかかると言われて、ハラを括って話にいったらあらあら...
朗らかだったGretaのタガが外れたあとはホラーとしか言いようがないおっかなさが襲ってくるのだが、いちばんおそろしいのはそうなった後でも彼女の表面は - たまにブチ切れたりするものの – ほとんどあの冷めて平熱の、変わらない表情であることなの。 その状態で、裸足で軽やかにステップ踏みながら注射器を手にしていたり銃もってきたり。おっかないよう。
こないだの“Elle” (2016)といい(間に”Eva” (2018)ていうのもある)これといい、Isabelle Huppertさんの役名がそのままタイトルになる、そういうやつで、これはつまり最強としか言いようがなくて、他方、Chloë Grace Moretzさんは”Kick-Ass” (2010) でも”The Miseducation of Cameron Post” (2018)でもこんにゃろーていう役は結構あるのにここまでしおしおとやられてしまう(多少反撃はするけど)のはやや珍しくて、でもどうみても勝ち目なさそうなのでそうするしかないのかも。
ぜんぶ先回りして出口を塞いでにたーって笑う知能犯寄りのストーカーではなくて、情念で端からぜんぶ燃やしたり凍らせたりしてしまう山姥系のやつで、怖いのはこっちだねえ体が動く限り底なしに寄ってくるんだもの。
あまりに真に迫ってくるのでそういうのにトラウマがあるひとは見ないほうがいいかも。でもそういうのとは別にSM系の、たまんないSがたまんないという方にはものすごくど真ん中にびりびり来るやつかも。 Isabelle Huppertさんも余裕で楽しみながら演じているような。
へたに怖がって抵抗しないで飛び込んでいったらどうなったのか、案外猫かわいがりしてくれたのではないか、とか。
NYの地下鉄の車内がなんか違うかも、て思ったらぜんぶアイルランドで撮ったやつだったのね。
5.07.2019
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