7日、土曜日の晩、Barbicanで見ました。
この日はThe Cureの結成40周年の記念ライブ - 今年唯一のライブ - がHyde Parkであって、当然そっちに行くもんよねと発表時点から強く思っていたのだが、ものすごい勢いであっという間にチケットは無くなってSold outがついて、ううーむになってこいつはしぶとそうだ、と。
他方でこれのチケットも早々に売り切れていて、ある日悪くない席が空いていたのでとりあえず取って、そしてしばらくしてThe Cureのと日にちが被っていることがわかった。 こちらをキャンセルしてThe Cureのほうをなんとかする、というのがそれなりにThe Cureに寄り添ってきたものの取るべき態度ではないか、と思っていたのだが、日が近づくにつれて暑いしだるいし、なんかどうでもよくなっちゃったので、そのままにして当日が来てしまった。 あーあ。
7:30に場内の照明がサーチライトのようにぐるぐる回って、オープニングのCURLが現れる。
5人いて、まんなかにエレクトロがふたり、ギターがひとり、太鼓がひとり、曲によって3人がラップする。エレクトロのひとりはMica Leviさんで、彼女はたまにギターもがしゃがしゃやる。 音はエレクトロ+ヒップホップ、なのだが、全体に漂うアンダーグラウドのスカスカした殺気みたいのがすごい。 道端とか場末の倉庫で鳴らしているかのような素の空気感がそのまま演奏の粗さとテンションに出ていて、だからなに? の無頓着さもかっこいい。
8:30くらいにOneohtrix Point Neverが登場する。 配布されたプリントにはMyriad Ensembleとある4人のバンドで、ドラムスひとりとキーボードとかコンソールに向かう3人。OPN = Daniel Lopatinさんは真ん中の少し高い位置に座って、たまに愛想よく手を振ったり微笑んだりする。
背後には鋭角で切り取られたパネルが組み合わさっていて、ステージ右左の高いとこには化け物みたいな球形のオブジェが風鈴みたいにぶら下がってくるくる回っていて、照明は曲によって緻密に設計されているようで、ストロボからなにからがんがん。
こういう系統の音に詳しくないので、誰それのなにに似た音、みたいな形容ができないのだが、このショーの中心となる新譜”Age Of”のジャケットアートなどなどを見ると、中世の異形とか魑魅魍魎とか魔女狩りとか、その辺の過去の時間や非人間、非生物のありようをデジタルの波形を使って「数々」-「いっぱい」- Myriad - 表してみたらこんなふう、って。
音は分厚いかんじはしなくて粒とエッジの立った音々がひとつの面上と線上でびちーっと並んで共時で攻めてきて、そこに人力のドラムスが独特の揺らぎを持ちこんでくる。 暖かい~冷たい音という形容とは別の、蛍とか星みたいに瞬いては消えていく、きれいなだけの音のうねりが無機質な平面上に散らされた時に一瞬立ちあがる生々しさ – 途中で1曲だけ、カウボーイハットに仮面をした長袖レオタード姿の女性ダンサーが5人、客席側からステージに上がってひと通り踊ってそのまま客席に降りて消えていった - なんだろあれ? の奇妙な感触 -これは映画 “The Bling Ring” (2013) や”Good Time” (2017)のサウンドトラック、それらが走っていた画面上でも起こっていたことだよね、と改めて確認した。
エレクトロでリズムもあるけど、フロアで踊るかんじの音ではなくて、どちらかというとクラシックを聴くのに近いかんじでみんな背筋を伸ばして聴いていた。曲によってはニューエイジみたいに聴こえるのもあったし。別にいいけど。
屋内よりも野外で聴いてみたほうがおもしろいのではないかしら。
アンコールもしてくれた。 もっと邪悪なひとをイメージしていたのになんかよいひとっぽかった(それがどうした? - Richard David Jamesみたいだと思ってたか?)。
7.17.2018
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