日本からは21日、日曜日の午後に戻ってきて、部屋を一週間空けたのは初めてだったので不安だったのだが特に問題はないようで(たぶん)、例によって荷物を引っ張りあげるとこでしんだ。
日本でのあれこれの前に、行く前に見たやつでまだ書いていないのを少し片づけることにする。
10日の水曜日の晩、Picturehouseで見ました。日本から戻った時には間違いなく上映が終わっていそうなやつだったから。
Brad (Ben Stiller)はNPOに勤めていて、妻のMelanie (Jenna Fischer)は政府系の機関に勤めていて、今のとこ生活はそんなに困っていないものの老後の資金が心配になり始めていて、彼の学生時代の友人たちはみんな有名人になったり富豪になって島に隠居していたりするのがちょっと羨ましくてぎりぎりするのだが、だからと言ってどうすることもできないしそんなの別にいいのよ、てMelanieは言う。
一人息子のTroy (Austin Abrams)の大学受験の面接対応でBradとTroyは二人でBostonに行くのだがHarvardの面接の日をTroyは間違えて、気づいた時にはもう終わっていてどうすることもできないことがわかる。そうだそういえば大学の同窓で今はちょこちょこTVにも出ているCraig Fisher (Michael Sheen)はHarvardで教えていたはずだから彼に頼んで口利きして貰えば、と思うのだがそうすると彼への妬みとかNPOを立ち上げるときにもそっけなかったこととか更には友人の結婚式に自分だけ呼ばれなかったこととか、それらが持ちあがってきてあいつに頭下げたくないなー、になって、でもそんなことよかTroyの将来のほうがよっぽど大事だろ、になって、結局電話して会うことになって、果たしてTroyは、Bradは救われるのか...
誰の身にも起こりそうな「その程度のこと」にBen Stillerがこれまでいろんな映画で演じてきたキャラクター - 猜疑心が強くて負けん気も強くて自分はどこか特別だと思っていて、他方で劣等感もたっぷりで落ち着きなくきょろきょろ動きまくり喋りまくる – 結局大人になりきれていない変なヒトでしかない - の集大成のようなBrad = Ben Stillerが全力でぶつかっていく、それだけで十分にはらはらおもしろいの。今回はそれに加えて息子にいいところを見せたい父親、てのも挟まってくるのだが、実際には息子のTroyのほうがよっぽど大人な対応とか動きとかをしたりする。
あともういっこは、こないだの”Ingrid Goes West”にもあったような承認(されたい)欲求・葛藤の大人版、みたいなかんじもあって、SNSで周囲近況 – Status - が近くなる(近くにみえる)と余計にそれらは肥大して暴走して手におえなくなっちゃうものなのかしら、って。ふだん、他人なんかどうでもいいと思っているのにSNSを経由すると他人が他人でなく見えてきてしまう不思議、って確かにある。誰もがどうでもいい、ていうけど実は割と頻繁に向こうから来て、あまりよろしくない形で変な角度からコントロールしようとしてくるあれ、しかも気になりだすと止まらなくなるあれ - ってなんだろ。年齢とかあんま関係ないのか、年寄りのほうが厄介だったりするのか、とか。
これ、作劇としてはコメディになっているのだが("Ingrid..”がそうだったように)ホラーと紙一重というスリルもあって、妬み嫉みの激しい(ように見える)最近の日本でも公開されてほしいなー。
監督・脚本のMike Whiteは、”The School of Rock” (2003)でJack Blackに部屋を貸してSarah Silvermanの彼女に文句を言われ続ける役だった彼で、今回Bradの同窓生でセレブの映画監督として少しだけ出演もしている。 こんなのを作っちゃうひとだったのね。
1.22.2018
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