7日、日曜日の晩、Picturehouse Centralで見ました。
これも実話ベースで、お金とかお金持ちとか誘拐とかあんま関係ない世界の話だけど、監督はRidley Scottだし見るか、くらい。
1973年のローマで、石油王(ていうのが昔はあったのよ)で大金持ちのJ. Paul Getty (Christopher Plummer)の孫 - "Paul" Getty III (Charlie Plummer)が誘拐されて田舎に監禁され、誘拐団からは身代金用意しろ、と母親Gail Harris(Michelle Williams) – J.P.Gettyからは義娘 - に電話が入る。
J.P.Gettyの息子(Paulのパパ)はモロッコでほぼヤク中のへろへろでGailとは離縁状態にあって、Gettyの懐を狙ってみた犯人たちにはざんねーん、だし、Gailからすればいい迷惑なのだが、他にすがるあてもないので、J.P.Gettyのところに行って、あなたもPaulのことは可愛いって言っていたじゃないですか、と訴えると、金を出すつもりはない、と言って替わりに彼のとこの凄腕(なんだよね?)ネゴシエーターで元CIAのFletcher Chase (Mark Wahlberg)を寄越してくる。
映画は誘拐団側の窓口Cinquanta (Romain Duris)とGail-Fletcher組の交渉と、Gail-Fletcher組とJ.P.Gettyの交渉と、囚われたPaulとCinquantaとのやりとりと、この3層のぜんぜん捗らないかみ合わない交渉の行方を追う。一度は誘拐団の隠れ家を警察が急襲したり、一旦はそこから脱出したかに見えたPualだったのに再び別のギャングに売られたり、いいかげんにしろよって、片耳をじょきじょき切られてしまったり(耳は交渉のネタとして送られる)、なかなか大変なの。
なので、これまでの誘拐サスペンス活劇にありそうな犯人側との息詰まる攻防とか大胆な救出作戦とかはないし、Denzel Washingtonも出てこないし、寧ろ描かれるのは「世界中のカネはわしのもんじゃ」と豪語して盗人には金なんかやらん、てぶつぶつ言い続けて解決を妨げる - 絵画なんて買ってる場合かよ - 老害じじいが古都ローマでひとりゆっくりと朽ちていくさま、のほうで、あんたがお金持ちなのは事実かもしれないけどそんなのどうでもいいと思っている大多数の市民には割とどうでもいい話になってしまったのは残念かもしれない。 あんなふうに耳切られるのはやだなあ、くらい。
ただ、唯一あるとしたら、そいつら - 生きていようが死んでいようがどうでもいいとみんなが思っている老害じじい(共)が今や世界の殆どの富やリソースやその配分を勝手にがんがんに握っていて、我々市民はまるごとそいつらにいいように振り回される人質みたいなものになっていやしまいか、と。 耳切られるどころかそこらじゅう報復のテロだの地雷だのだらけなんですけど、って。 - 深読みしすぎだろうか。
そんな憎まれじじい役に、世界中から嫌われる可能性がでてきたKevin Spaceyを置いちゃったもんだから、わざわざChristopher Plummerにリプレースして、そしたらそのリテイク分のギャラが新たに男女格差ネタに火をつけて、そんなどうでもいい(よくないわよもちろん)ヒレにまみれてしまったのはついてないとしか言いようがないねえ。
やっぱりこれ、Tony Scottが撮ったのを見たかったなあ。時間の経過とかずるずるで、中だるみしているかんじがちょっと。
ぷーんて匂ってきそうな誘拐団のRomain Durisとか、なかなかよかった。
あと、Getty Museumはまた行きたいよ。
1.12.2018
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