9日の日曜日、ごご3時くらいからHyde Parkに行ってみた。
この夏 - 去年もだったのだろうが - ロンドン近郊だけでもものすごい数の野外とか公園のフェスがあってどれにしたものか、雰囲気とかもわかんないので、とりあえず手近なところの野っ原で様子をみてみよう、と。
Hyde Parkのは昨年のCarole Kingのが見たかったよう、で、今年の(BST - British Summer Timeていうの)は5夜連続、あっというまに売り切れたのが4夜め土曜日のThe Killersで、これは割とどうでもよいのだが、Phil CollinsもGreen Dayもなんかちょっと微妙だしJustin Bはちがうし、で40周年で大規模なツアーはもうやらないとか言ってるこの人達にした、ていうよか一番見たかったのはStevie Nicksだったの。
チケットはぜんぜん余裕で取れて2日くらい前にSold outがでたくらい。
夏の公園ライブというと自分にとってはCentral ParkのSummerstageで(あと少しだけProspect Park)、あれと比べると砂場とサッカー場くらいサイズが違って、気が遠くなってうんざりするくらいでっかくて、ステージはぜんぶで4つ、一番でっかいステージの前のエリアはお金持ちの貴族のみが入ることができて、われわれ平民(チケットは3階層くらいあって、平民は£70くらい)はかんかん照り(雨は来てくれそうで、結局こなかった)の原っぱで木陰を求めて彷徨うことになり、他のステージはどうでもいいか、ととりあえずスペースがあったとこにごろんと横になる(←体調わるくてあんまやるきなし)。音はまったく申しぶんなくばりばりクリアで、スクリーンも横側についてるので見れるからいいや、になったの。
客層はお年寄りから子供まで、ほんとにふつーに公園に遊びにきた市民、てかんじでTom PettyのTシャツを40年間着てます、というナリのおじさんたちと、なんたってあたしらのStevie Nicksだからさ、ていう見ればわかるのおばさんたちは、市民の海の波間の浮くか浮かないか微妙な線上でからから笑っている。
着いたときにやっていたのがThe Sheltersていう人達で粘っこくばちばちうねるロケンロールで夏の午後には流しておくには丁度よいふう。スイカとかとうもろこしが欲しくなった。夏祭りか。
続いてがThe Lumineers で、これも初めてだったがアコースティックでどかどか、大声で気持ちよさそうに歌ってて、客のほうもわあわあ応えて歌ってて、なんか、Mumford & Sons みたいというか、ああいうキャンプファイヤーみたいのが最近はやってるのかねえ(ひとごと)。
ご飯は、フェス飯みたいなのの屋台はひと揃いあって、ふつうに行列もあったりして、でも今回はだるすぎたので悩むのやめてバーガーと、しばらくしてからソフトクリームを食べただけ。
Stevie Nicks姐だけは起きあがって豆粒より小さいけど一応ステージが見えるとこ(フジのGreenよかぜんぜん遠い)に移動して見た。 バックはコーラス入れて7人くらいで、フロントでギター弾きまくっているのは誰がみたってわかるWaddy Wachtel氏で、なので西海岸の鉄壁なかんじ。
"Gold and Braid"から始まるヒットパレードで、この曲をやるのはxx年ぶり(ライブでやったことない曲やるわよってBuckingham Nicksの”Crying the in the Night” なんかやる)、とか思い出を語りながらたまに目頭を押さえてたり、地味めな衣装替えもいっぱいあって、タンバリンも叩いてくれて、くるくる回ったりもしてくれて、こちらの期待をまったく裏切らないStevie姐さんだった。客のほうも歌う歌う、みんなががーがーあひるみたいにフルで歌うので相当やかましくて、イントロから大爆発したのはやはり”Edge of Seventeen” 〜 “Rhiannon”、一回ひっこんでからラストの”Landslide”だったねえ。ぜんたいとしてはとっても満たされたかんじになって、Fleetwood Macも見ておきたいなー、と。
(彼女、来年70歳なんだよ。 歳のこと言っちゃいけないけど、ありえないわよ)
Tom Pettyは20:15からで、最初から2時間て書いてあったし、どうせ盛りあがるに決まっているので再び木陰 - でも西日が傾いて木陰じゃなくなりかけていたのがきつかった - で寝っころがって聴いた。
Tom Petty and the Heartbreakersのライブは行ったことなくて、でもMike Campbell は最高のリッケンバッカー弾きだと思うし、Benmont Tenchは最高のキーボード弾きだと思うし、見ておきたかったのよね。
出てきて、わあわあやんやの歓声のなか、この曲はデビューして初めてロンドンに来て最初にやった曲だよ、って"Rockin' Around (With You)" をやって、そこからはこちらも40年間の総括みたいな、あれもこれも聴いたことあるやつばかりだった。こんなに知ってる曲あったのね、で、Tomはずっとご機嫌でcall & responseはもちろん、いろんな思い入れも込めて詰めていっぱいお話しして声かけてて、もっと尊大で気難しいひとだと思ってたらぜんぜんちがってこんなにいっぱいサービスしてくれるひとだったのね、って。 真ん中くらいで当然のようにStevie Nicksが呼ばれて"Stop Draggin' My Heart Around"をやって、このあとは"American Girl"が聴けたら帰ろうと立ちあがったのだが、結局これはアンコールの最後なのだった(まあ、そうよね)。いちばん湧いて歌われてたのはやはり”Refugee”だったか。 エンディングでMikeはリッケンバッカーの6弦をぶち切ろうと格闘したのだが結局できなくて、たっぷりたわんだ弦と共に横たわるギターが映しだされて終わった。
"You Got Lucky"とか"So You Want to Be a Rock 'n' Roll Star"とかも聴きたかったなー。
終わって、みんな地下鉄の駅に殺到してすごい列になって帰れなくなるかしら、というのが恐怖だったが、礼儀正しく固まって路上を移動するのではなくて、灯りのない公園の木々の間の獣道をてんでばらばらに走り抜けててすごいと思った。 方々で立ちしょん/連れしょんしてるし。
マナーとかあんま言いたかないけど、みんなタバコ(以外のはっぱも)吸い過ぎ、見てて楽しい酔っぱらいが多いのはおもしろくていいけど、ぜんたいに野生化しすぎなかんじがした。
さて、これから野外のライブをどうしていくべきかしら?
7.12.2017
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