14日、金曜日の晩、Barbicanでみました。
前日の晩になんかないかなー、と探していたらひっかかったのでチケット取った。
Mercury Revは、なんといっても"Deserter's Songs" (1998)の印象が強くて、これとThe Flaming Lipsの"The Soft Bulletin" (1999)の音(ちなみにどちらも同じスタジオ、同じプロデューサー - Dave Fridmannによる)って、90年代末のある側面を象徴していると思うのだが、最近、どちらのバンドもなんかぼんやりしちゃったかなあ、と思ってて、でもライブは見てないし違うかもね、と。
あと、これはレーベルbella unionの20周年記念イベントのひとつでもあって、いまレコード屋でインディ系のなんかを買うとここのパンフ(いろんなミュージシャンがbella unionのこの一曲を選んでいる)とそれが収録された20曲入りのサンプルCDをタダで貰えるの。 ちなみにbella unionはCocteau TwinsのRobin Guthrie とSimon Raymondeが設立したレーベルで、それがなんで? というのはライブが始まってからわかった。
前座の途中で入ったら(ホールなので曲の合間にしか入れてくれない)、Lowlyていう男女5人組がやっていて、ばりばりと垂直に降ってくるサイケに堂々とした女性ボーカルがかっこよくて、ずっと聴いていたかったが、途中で時間だから、って止められてた。
本編は、 Royal Northern Sinfoniaていう24名編成のオーケストラ(指揮者付き、harpもいる)にMercury RevのJonathanとGrasshopper + バンド4名で、そのなかにSimon Raymondeさんがギターで加わっている。 そういえばMercury RevってCocteau Twinsの甥っ子みたいなもんかもしれないな、って。
"The Dark is Rising"の堂々たるインストから入って、誰がアレンジしたのか知らんが(たぶんSimon)オーケストレーションとバンド側の厚めのアレンジとゆったりしたドライブがこれ以上ないくらいに調和して音の粒がぜんぶ見えるような高濃度の壁というか森というか深溜まりを作っていて、彼らのライブは初めてだったけど、オーケストラ抜きのライブが想像できないくらいに融和の度合いが高くて、気持ちいいったらない。 まるでVan Dyke Parksみたいに聴こえることもしばしばあって、でもVan Dyke Parksよりもそれっぽかったかも(1988年のサンプラザ、行ってるもん)。
途中でSimon Raymondeさんの紹介があって、そこで彼のパパ - Ivor RaymondeはDusty Springfield やThe Walker Brothersのアレンジャーとして有名で、Joe Meekなんかとも仕事してた、要は60年代のブリティッシュ・ポップの重要人物であることがわかって、そんなパパへのRespect、ということでDustyの"I Wish I'd Never Loved You”(ゲストシンガーとして出てきたのはbella unionから"Golden Eagle"を出しているHolly Macveさん)が演奏されて、それは回顧モードとはぜんぜん無縁の強烈な生々しさ揺さぶってきて、これならたぶん、Cocteau Twinsを今聴いてもそんなに古く感じないのではないかしら、と思った。
終わりのほうはJonathan Donahueがやたら大真面目に感動的に"When You Wish Upon a Star"(ディズニー…)を歌いあげて、ラストは鉄壁の"The Dark is Rising"から"A Drop in Time"。 音の切れ目から"Dream"とか"Star"とか"Dark(ness)"といった単語がやたら切実に響いてきて、ああサイケの魂1000まで... とかそういうひと時だった。
終わって、サイン会があって、会場で売ってた"All Is Dream"の300枚限定のクリアヴァイナルにサインしてもらった。
そろそろレコードプレイヤー買わないと、ほんとバカみたいに溜まってきた。
7.20.2017
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