9日の日曜日の昼12:00、Hyde Parkに向かう前にBloomsburyのCurzonで見ました。
“The Midwife"の時と同様、メンバー向けのPreviewで、この1回だけ£5で。 Previewといってもここの一番でっかいスクリーン - “Renoir"で、椅子はゆったりでいつもがらがらで、こんなんでいいのかしら、と思いつつ。
これも夏のたまんない1本。 うだるような夏の晩に見るとよいかも。
Don Siegelによる71年の『白い肌の異常な夜』は未見。 Thomas P. Cullinanの原作も未読。
1864年、南北戦争の終わり頃、あちこちで砲撃の轟音が轟いているVirginiaの奥のほう、女の子が森でひとりキノコ狩りをしていると北軍の負傷兵のJohn McBurney (Colin Farrell)を見つけて、なんか死にそうみたいなので背負って自分の暮らす女学校に連れて帰る。
そこには校長のMartha Farnsworth (Nicole Kidman)と教師のEdwina Morrow ( Kirsten Dunst)、ほかにAlicia (Elle Fanning)をはじめ女学生5人がいて、Johnを見たMarthaはしばらく考えて、でも放っておけないから、脚の傷をぬいぬいして、看病することにして、引き渡すべき南軍からも匿ってあげる。 しばらくしてJohnは回復するのだが、その頃までに女子(含.教師)のJohnに向けた興味関心はしゃぎっぷりは相当なものになっていて、Johnももてはやされるうちにだんだん態度がでっかくなっていって、やがて。
ここから先がものすんごくおもしろいのだが、書くとネタバレとか言われちゃうのかしら。
とにかくColin Farrell, Nicole Kidman, Kirsten Dunst, Elle Fanning - この4人(だけじゃないけど実は)の四巴の睨みあいとか引っ掻きあいとかだっきん、とか、すばらしいったらないの。
Sofia Coppolaがメインの女優3人(猫)の習性というか特性というか魅力を最大限に引き出しているのは言うまでもない、そりゃそうよね! なのだが、それ以上に Colin Farrell(犬)をこいつらの真ん中に配したことで、この作品の成功は約束されたものになった、のよね。 優雅なレース編みの袋の鼠で転がされて案の定ぼろぼろにされていくColin Farrell、たまんないひとにはたまんないはず。
戦場の地獄で負傷して死にかけたところを救われて、王子様扱いされて天国に昇ったとおもったらふたたび地獄に叩き落とされて、なめくさっとんじゃねえぞアマ、て逆上して … とこいつのエモのジェットコースターを中心に描いたほうがおもしろい、のかもしれないが、そうじゃないの。規律できちきちの修道院のような、編み物したり楽器演奏したり料理したり洗濯したり見張りしたりといった学校生活のなかに、ふだん見たこともない犬ころが飛びこんできたらどんな波風波紋が立つのか、それを女たちはどんなふうに建てなおすのか、そっちのほうが面白いんだよ、このメンツだととくに。
あるいはこれは、戦争の時代、砦に篭らされた少女たちに起こったもうひとつの、だれも死なない版”The Virgin Suicides” (1999)、なのかもしれない、とか。
音楽はPhoenixがものすごく静かな、でも臨場感たっぷりのを。
でも画面の隅から隅までを鳥の声、戦争の大砲や銃声が埋めている。
邦題は「お・も・て・な・し」、でよいのでは?
BBC One、なんでこんな深夜に”Blades of Glory” (2007)やってるのよ。 見ちゃうじゃんか。
7.15.2017
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。