3月1日の晩、SF行きの機内で見ました。 実話で、2007年には同名のドキュメンタリー(短編)も作成されていて、オスカーも受賞している(未見)。
NJの郡警察でばりばりの女性刑事Laurel (Julianne Moore)は田舎のバレーボール試合(Julianne Mooreがバレーボールをする ..)でStacie (Ellen Page)と出会って恋におちて、家を買って一緒に暮らし始めて幸せだったのだが、Laurelが癌でもう先が長くないことがわかって、Laurelは自分たちの家をStacieに遺したいと思うのだが、当時のパートナーシップ法では、(夫婦と違って)パートナーに資産を譲渡できない仕組みになっていて、それはおかしい、って郡の評議会に申し立てをするのだが却下されて、評議会を相手に抗議活動が巻きあがるのだが、当然のように慣例だの偏見だのいっぱいあって難しくて、でも彼女の病状はどんどん悪化して。
ふたりが出会って仲良くなって、でも死による別れが見えてきて、のあたりがとてもきちんと作ってあって、でっかいの(白髪)とちっちゃいの(黒髪)と、どことなく”Carol”のふたりのようでもあって(もちろんぜんぜん違うんだけど)、こういうふうだから政治だのが絡んできてキナ臭くなる後半もよいの。
Laurelの職場でずっと連れ添っている相棒刑事がMichael Shannonで、このひとの刑事なんて、ぜったい嫌味な奴で悪い役に変貌したり寝返ったり、と思っていたらあらびっくり、ものすごくいい奴なのだった。
もうひとり、ゲイのJewishのアクティヴィストでこの機に乗じて抗議デモを組織するべらべらやかましいSteve Carell(さいこー)がいて、彼とMichael Shannonの絡みが見られるだけでもなんか幸せになる。
Julianne Mooreさんは“Still Alice” (2014)に続いて老けてぼろぼろになっていく役なのだが、あまりにうまく自然にぼろぼろになっていくのであんましこないかも。 Ellen Pageさんもこれまで同様に純情まっしぐらなかんじで、ひたすら真剣に演じているのでまったく文句ない。
事実では、もちろんこの裁定に彼女たちは勝利して、更にそこから同性婚の合法化に向かうのである。
日本でもぜったい公開されるべき。 「嗜好の問題」とか愚かなこと言ってる痴呆議員とかに見せてやれ。
Manglehorn (2014)
同じく行きの機内で、上のに続けて見ました。
“The Humbling” (2014)に続いて、またAl Pacinoの偏屈老人モノかあ、て思ったのだが、監督は David Gordon Greenだし、と。
A.J. Manglehorn (Al Pacino)は錠前屋で、郵便ポストに蜂がわんわん湧いているようなぼろい一軒家でアンゴラ猫のファニー(かわいい)とふたりで暮らしてて、仕事はふつうにやってて、人間で喋る相手は銀行の窓口にいるHolly Hunterくらい。
過去になにがあったのか知らない(最後まで語られない)が、Manglehornはクララっていうかつて愛していて今も愛していて彼の元から消えてしまった女性に手紙を書き続けていて、でも手紙は差出人のとこに戻ってくるばかりで、その手紙を読み上げる彼の声が延々被さって映像詩みたいに見えないこともない。
他には投資家として成功しているらしい息子(Chris Messina) - クララとの間の子ではない - とのやりとりとか、かつての教え子で、今は怪しいマッサージパーラーを経営しているやくざのHarmony Korine - Manglehornにぼこぼこにされてしまうとこがなんとも哀れ - とのあれこれとか。
でもびっくりすることにほぼそれだけなの。 マングルホルンがクララを吹っ切って諦めて、それで終っちゃうの ...
あ、音楽はExplosions In The Skyで、なかなかよかったかも。
RIP Naná Vasconcelos..
今年って、まったくなんなの ...
3.09.2016
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