22日の日曜日、Hostess Club Weekenderに行きました。
平日の晩のライブなんてありえないかわいそうな洋楽好きの子供たちにとって、週末に数バンドまとめてコンパクトに見ることができるありがたいやつ。 ほんとは週末のいちんち潰れてしまうのって、それはそれできついのだけど。
今回はMelvinsがあったのでMUSTだった。
2011年の3月11日の晩、クアトロでライブがあるはずだったの。
いま思い返せばバカみたいだが、あの日の午後、あんなことになってしまって日比谷からとぼとぼ歩いて帰宅している最中も、夜は彼らのライブに行くのだ、だから早く帰って着替えなきゃとか思っていた。 渋谷までの電車は動いていないかもしれないけど歩いていけばいい、彼らはちょっとびっくりしたような顔をして、でも地震を跳ね返すような怒濤のライブをぶちかましてくれるに違いない、と確信していた。
家に帰ってTVを見たらそれどころではないらしいことがわかってライブは(しぶしぶ)諦めたのだが、彼らみんな、だいじょうぶだっただろうか? ちゃんと帰れたかしら? と気になってしかたなかった。
チケットは払い戻ししなかったなあ。
で、そんな彼らが戻ってきてくれる、戻ってきて演奏してくれる、というのだからなにがなんでも聴きにいくのが礼儀ってもんよ。 戻ってきてくれて本当にありがとう、と。
ひょっとして物販があったらどうしよう、と思ったので会場には2時半くらいに着いた。
MelvinsのアナログとかプリントをWeb経由でこつこつ買い集めるのが数少ない趣味のひとつなのだが、今回そういうのなんもなかった。 ざんねん。
彼らを最後に見たのは2008年、竜巻警報が出ていたシカゴの夏の晩、Lollapaloozaの裏番で、とても小さい小屋、”Nude with Boots”が出た直後で、ドラムスが2台で、ほんとに吹き飛ばされた。
その前は2005年で、Jello Biafraと一緒のだった … もう10年前かあ。
何人編成で誰と来るのか何もチェックしていなかったのだが、3人編成で、ベースはButthole SurfersのJeff Pinkusさんだった。 Paul Learyさんも来ればよかったのにな。
リハーサルの音出しからして笑っちゃうくらいばりばり。 とりあえず空砲を10発くらい。避難するならお早めに。
18:45きっかり、両手を上に掲げたDale Croverさんの、両足のみのどかどかちきちき、で厳かに始まり、20:15きっかり、同じポーズの同じ音でしめやかに閉じる。 いじょう。
なにを言っても書いてもしょうがない、竜巻豪雨に雷神風神、海の怪獣山の怪獣、ぜんぶいっぺんに襲ってきてフロアにいた我々は1000メートルの彼方までなぎ倒されてふっとばされて大惨事で、それでも全員歓喜の電撃にうち震えて笑っていた。 感動の涙なんてないの、なんだこりゃ、ありえないー、て絶句して、あとは自分の鼓膜と脳の無事を確認して笑うしかないんだ。
ほぼ無停止、King Buzzoがヤギみたいにベエエ、とか鳴いた以外は喋りも煽りなし。アンコールもない。
どの曲をどの順番で、なんて書いてもあまり意味ないけど、最後のほうの”Your Blessened” 〜 “Night Goat”は凄すぎてこのまま死んでもいい - 殺して夜山羊、になったわ。
こないだ彼らのFBに載ってた85年のDaleの自宅でのリハの10分間 - 最初と最後にDaleのママがTVの音が聞こえないよ、って怒鳴りこんでくる - を聴いてみ。 その完成度にも呆れるけど、30年間ずっとこれなんだから、そりゃ最強だよねえって。
怪獣はまた回遊して戻ってくるよね。
これの前に見たふたつも。
Christopher Owens
Girlsは好きなバンドで来日したときも、行ったのだった。
4人編成で、音も小さめで、Girlsよりもふんわり柔らかい音、初期のFeltとかThe Pastelsみたいなかんじで、たまに50年代ロックンロールの香り、そりゃ嫌いになれないわよ。 Girlsの曲もやっていたし、延々聴いていられる。
あの寝巻きみたいなファッションもよいなー。 変なひとなんだろうなー。
Daughter
これまで聴いたことありませんでした。 どんどこ背後で壁をつくるドラムスをつんざいてナイフとヤスリのギターと冷たく浮遊する女性ヴォーカル、過去にいくらでも聴いたフォーマットながら緩急とかエッジのつけかたはデジタル世代のかんじも。
こういうバンドのフロントにいる女性ってつんつん意地悪ぽい人が多かった気がする(気のせいよね)のだが、ここの彼女はとってもフレンドリーでお茶目ぽかった。 ミスしても「ごめーん」とか。 音はとっても好き。
で。 このふたつのあとにMelvinsかよ、てみんなが思ったはず。 べつに関係なかったけど。
11.23.2015
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