9.05.2015

[film] American Ultra (2015)

LAに着いた29日の土曜日の晩、眠くなるの防止でどかどかうるさそうな奴から見ました。
場所はダウンタウンから歩いて10分くらいの、コンベンションセンターとかが固まっているあたりのシネコン、何年か前に出張で来たとき、ここでFurious 6 (2013) をみた。
座席はやはり指定になっていて、こないだの銃撃事件のせいか荷物チェックとか警備の警官とかが沢山いた。(かなしい)

アメリカの田舎のさえないコンビニで店員をしているMike (Jesse Eisenberg)は彼女のPhoebe (Kristen Stewart)と一緒に地味だけど、はっぱ吸ったりGraphic Novel描いたり幸せに暮らしていて、ふたりのハワイ旅行は彼が直前にパニック障害を起こしておじゃんになって、それでも許してくれる彼女に彼はプロポーズしようと思っている。 そんな彼のところに怪しげなおばさんが現れて、意味不明の文章、というか言葉の連なりを告げて、それからしばらくすると怪しげな二人組が車のところでなんかしている - と思ったら突然Mikeのところに襲いかかってきて、彼はびっくりしつつも応戦し、気づいたらそいつらをぶっ殺してしまったので更にびっくりする。 で、その騒ぎで寄ってきた地元のシェリフが彼を逮捕してそこにPhoebeも呼ぶのだが、ぶちこんだ先にも新たな刺客がターミネーターのように現れて、そこでも彼は。

昔のCIAの極秘プログラムが彼を殺人兵器に仕立てたもののやばすぎるから封印してて、そいつが消去されることを察知したCIAのおばさんが彼のところに現れて封印を解いた、らしい。 彼が無意識ながらも抵抗して暴れれば暴れるほど破壊の規模はでっかくなり、なんでか危険なウィルス保持者として彼の顔写真はニュースにも出て指名手配されてて、軍の一連隊だのドローンだのがMikeとPheobeの前に次々とやってくるの。 彼はなにがなんだかわからないながらも、確かに青年期のある時期からの記憶がないことに気づいたりするのだが、そんなこと嘆いてもしょうがないくらいに慌ただしく敵は彼に群がってくる。

自分は政府によって改造されたなんかだったかわいそうに、という話は巷に溢れかえっているけど、この作品はそういう彼のプライベートな悩みや叫びや自分探しは置いておいて、とりあえず怯えて慌てるMikeの姿とスプーンでもチリ取りでもフライパンでも、コンビニで売っているものをなんでも凶器に変えて敵を血祭りにしてしまう彼の凄味のみにフォーカスして、それをJesse Eisenbergはひとり見事に演じ切ってしまう。こういう突然巻き込まれ ~ 覚醒するナードみたいなキャラクターをやらせると、このひとはほんとうにすごい。

そしてもうひとり、”Adventureland” (2009)に続いてJesse Eisenbergと共演となるKristen Stewartもまた、吸血鬼とか大女優とか若年性アルツハイマーとか、ふつーではなくなってしまったひとの横で悪態ついたり眉をひそめたり溜息ついたりしているだけで圧倒的なプレゼンスを播き散らしてしまう特性をもったひとで、今度のも見事としか言いようがなくて、要はほとんどこの二人の俳優の演技のすばらしさで成立してしまっているドラマなの。人の殺し方のなるほどー、なところとか筋書きはB級 - “The Bourne Identity” (2002)とか“The Avengers” (2012) のアメリカ辺境編みたいなかんじなのだが、でも96分、ちゃきちゃきしてて楽しいったら。

あと、久々にあのJohn Leguizamoさんが見れたかも。

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