休暇前に見たやつとか、まだ書いていないのがあったので、少し巻き戻す。
8月はほんとにアテネ・フランセ強化月間となってしまったわけだが、20日から始まった3日連続講座 - 「クリス・フジワラの「映画表現論」 現代映画とはなにか?」の、2日目、21日のやつ。
介護士の資格を取ったElena (Kia Davis) が、派遣された家でのあれこれを、"Limits" - "A New Family" - "Sudden Decision"の3章、72分でさらさらと綴る。 日本初公開だって。
Elenaが介護するのは足が弱くて殆ど喋らないおばあちゃんで、お母さん(監督のほんとのママが演じている)は世話焼きでほうっておくとずーっと喋りながらちょっかいだしてきて(でも誰も相手にしない)、家にいがちのお父さんも好き勝手なことをべらべら言うほうで(でも誰も聞いていない)、夫婦として噛み合っているとは思えない、犬も喰わないタイプ、絵に描いたようなJewishの家庭で、Elenaはなんも考えていないのか関わらないことに決めているのか、言われるままにその家に部屋をあてがわれて住みこむことにする。 けど介護している時間以外は部屋に篭ってタバコ吸ってぼーっとしているか猫と遊んでいるか、なの(そうしているとママがまた ..)。
そこに大学に行っているもののちょっと心を病んでる息子のNathan(監督本人)が帰ってきて、パパママと同じようにElenaにちょっかいを出し始める。さらにこいつは恋愛みたいなところも絡めてくるので、面倒くさいしうざいことはたしかなのだが、Elenaの基本は変わらず、心開かず、相手にしない。それがいつ限界や境界を超えてしまうのか、がこういうドラマのポイントだと思うのだが、その辺はのらくらかわして、ある日Elenaは突然決意して出ていってしまう。 猫を小脇に抱えて。
Elenaが感じるなんとも言えない居心地の悪さは、そのままここの家族に流れる時間そのままで、その不安定さと不確定さ、その生々しさを演出しようとするという点においてJohn CassavetesやJacques Rozierの系譜にあるものだ、と翌日の講義では言っていたけど、そうかなあー。 まずこのふたりにはとてつもない会話のおもしろさ、ダイナミクスがあると思うんだけど。
でも、なんとも言えずにおもしろいことはたしかだった。なんだろ。
この日は講義はなくて、上映だけで終りだったので、そのまま金曜日の国会前に移動して抗議した。
9.12.2015
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