9.20.2015

[film] God Help the Girl (2014)

なんかいっぱい溜まっているがこれもまだ休暇前。
8月23日の日曜日のごご、新宿で見ました。 おお忘れていたわ、と。

Stuart Murdoch - Belle and Sebastianていうのがそもそも微妙なの。

96年の頃、”If You're Feeling Sinister”を誰もが大絶賛してて(NYのOther Musicではスタッフ全員がその年のベストに挙げていた)、んで、聴いてもあんまよくわかんなかったのね。 Glasgow School - Orange JuiceとかJosef Kに浸かっていたものとして、彼らからの影響はわかんないでもなかったけど、どう言ってよいのやら、みたいな音楽の意匠だったの。要はピンとこなかったと。

で、この作品もNYの公開当時、評判はなんか中途半端なのが多かったしさ。
でも見てみたら、ぜんぜんよかったかも。 すごーい、パーフェクト、とまでは言わないけど。

施設に強制収容されているEve (Emily Browning)は何度でもするりと脱走して、バンドをやろうとしていたJames (Olly Alexander)と知り合って、そこにやはりバンドをやりたいお嬢さんCassie (Hannah Murray)も加わって、俺らなんかいけるんじゃないか最高かも、になっていく。 ていうような誰にでもある青春の盛りあがりの予感、が淡い恋も絡めてミュージカル仕立てで綴られる。 その流れのなかでEveは本当にやりたいことに気づいて目覚めて旅立っていくの。

というような音楽:バンド映画としてはきらきら眩しくスタイリッシュだし王道だねえ、と思いつつも、女の子の旅立ち映画としてみると、隔離施設でがちの治療を受けていた彼女が、内面吐露もせずエモの爆発も起こさずにあんな簡単に自分で自分の幸せを見つけて、関係がべったり面倒になる前にさらりといなくなってくれる、ちょっと男子に都合いいように描きすぎていないか、ていうのはあるかも。

ただ中心の3人のばらけぶりがよいかんじなので、あんま気にならないの。ぜんぜん三角形を作ろうとしない3人組の適当さとちゃらい三文ロッカーとのB級の逢瀬が結果的にEveの肩の重荷を解いた、そんなのもまたEveの妄想だったのかも - でもいいんだ、みたいな。

Emily Browningさんは歌も含めてこういうサイコな囚われ役 - ”Sucker Punch” (2011)にしても”Sleeping Beauty” (2011)にしても - がほんとうにうまいねえ。 心ここにあらず、でもどこかなんかむずむず … ていうあたりが。

音楽はサントラ盤買って聴いているが、あえてゴージャスにしない(できない?)へなちょこなところが素敵で、なんか最近の英国音楽、ぜんぜんわかんないけど、昔の香りがなんともいえない。

シリーズ化しないかしら。 次は "The Return of The Girl" とか。

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