6.20.2015

[film] Love At First Fight (2014)

少し飛ばしてこっちから書きます。
14日、日曜日の午後、アンスティチュの思春期特集で見ました。 原題は”Les combattants”。

いやー。 これもすばらしくおもしろかったー。

自分ちの家業のリフォーム屋を兄と手伝っているArnaud(Kévin Azaïs)は自分の将来をどうしようかなーてぼーっと思ってて、友達に付き添っていった軍のリクルートのとっくみあいイベントでMadeleine(Adèle Haenel)と出会う。女の子となんてさ、と言って軽く組みあったらがっしりした彼女は手強くてこっそり噛みついてかろうじて逃げて、くらいの勝負になってしまう。

庭リフォームする家の娘であることがわかったMadeleineはその夏の間、Arnaudが仕事で汗かいている脇でいつも無愛想に黙黙とプールで泳いで体を鍛えているから気になってなんで? て聞いてみると、もうじき世界は終わっちゃうんだからサバイバルできるようにしておかないと、て真顔で言われる。

こんな危険思想の娘と関わっちゃいかん、と思いつつもやっぱりどうしても気になったArnaudは、家業をほったらかして彼女にくっついて軍のサバイバルキャンプみたいのに参加する。
でもどこまでもハードでストイックな訓練を望む彼女は新兵集団のなかでひとり浮いてしまい、それをArnaudが裏でそれとなくカバーしたり助けてあげたり、みたいな関係が続き、チームのオリエンテーリング訓練で野営をしていた彼らはチームから離れ、衝動と予感でふたりだけで山奥に分け入っていくの。

で、森の奥で愛を育んでめでたしめでたし、になるかと思ったらいきなりまじで世界の終りがやってくるんだよ …

強く逞しい女の子とそんな強くないけど利発な男の子のじれったいラブコメ、にどきどきの夏休みとキャンプと終末がやってきて見事な青春のだんだら模様を描く。 お互い「愛してる」なんてぜったい言わないけど、生きるべきか死ぬべきか、だとやっぱし生きるんだよね! ていう控えめなかんじもまた確信犯ぽくていいの。

Madeleineを演じたAdèle Haenelさんは前日の”Suzanne”で妹のMariaを演じていて、Mariaの演技もすばらしかったのだが、このMadeleineもそのがっしりとしたたくましい肩とか腕とか、ほんとうに素敵なの。森の奥でのラブシーンの輝きとか(そのあとでゲロまみれになるとこまで)。

ボーイ・ミーツ・ガールと終末論と、ていうと80年代では岡崎京子で、その背後に流れるのはXTCの”Love at First Sight”だったりするのかもしれないが、この映画でばりばり流れるのは90〜00年代のフレンチ・エレクトロで、これはこれでじゅうぶんかっこよくて、新しいねえ、と思った。


ぜーんぜん関係ありませんが、20日はABTのJulie KentさんのFarewell公演があって、演目は彼女の十八番の”Romeo and Juliet”なの。 わたしにとってABTのミューズはAlessandra Ferriさんだった(彼女のFarewell - 演目はもちろん”Giselle” - は見たよ)のだが、今のシーズンでPaloma Herreraさんが引退し、Xiomara Reyesも引退、となるとああ確実にひとつの時代が終ったのだなあ、としみじみ思うの。  長いあいだお疲れさまでした。

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