30日の土曜日、”The Trip to Italy”のあと、新宿に移動してみました。
出張前日だったので、とりあえず見ておけ、くらいの。
上映前に”The Seventh Art”ていうTVのショートドキュメンタリーでXavier Dolanを紹介したときの映像が流れる。うしろあたまにスローモーションに。 ふうーん。あげるねえ。
http://www.theseventhart.org/main/videos/issue-23-xavier-dolan-video-essay/
『わたしはロランス』、『トム・アット・ザ・ファーム』のXavier Dolanの最新監督作。
Lena Dunhamも予告を絶賛していて、確かに予告はすんばらしくいかった。 予告は。
Die (Anne Dorval)はぎすぎすしたシングルマザーで、施設で問題を起こした息子のSteve (Antoine-Olivier Pilon)を引き取りにいくところで、彼は多動性障害(ADHD)で、興奮して暴れだすと手がつけられなくてどうすることもできない。
そんな彼の相手で一日終ってしまうので彼女は疲れていて、疲れて相手しないと彼は荒れて、荒れると更に疲れて、の悪循環で、そんなある日、隣家に住むKyla (Suzanne Clément)となんとなく関わりができて、3人で一緒に過ごすようになる。 KylaがいるとSteveもなぜかおとなしめになったりする。 離れてはくっついてを繰り返す彼らの行く末はどっちに。
カメラはずうっと何かが勃発しそうなぴりぴりした緊張のなかを泳いで、でも1:1のInstagramみたいにきれいに切り取られていて、主人公の気分がよくなったりするとその画角はま横に延びたりするの。
『わたしはロランス』も『トム・アット・ザ・ファーム』も主人公の溢れかえるエモが画面をつんざいて横切るかのように見える瞬間があって、その「若さ」がなんかよかったりもしたのだが、今回のSteveはその辺が見えずに瞬間瞬間の喜怒のつみ重ねでなにかを伝えようとしているかのようで、DieとSteveとKylaとが団子になって共によろこんだり悲しんだり嘆いたり、でも誰も悪くない、でもやっぱりごめんね、みたいに延々続くにんげん模様が、なんかはらはらして疲れる。
母子の愛の底なしの闇でも光でもよいけど、あるかもしれない、ないかもしれない、そんな散文調でもって描かれるのであんまし迫ってこない。そして迫ってこないとこういのって途端に、滑稽なくらいわからなくなるものなのね。 そしてタイトルが”Mommy” … べそかいたってだめだ。
フランスのひとには受けたのだろうか? でもこれがカンヌで9分間のスタンディングオベーションを受けて、Juryを”Adieu au langage”と分けあった、ってわかんない。 なぞだらけかも。
母ものは成瀬の「おかあさん」(1952) があればあとはいらない、ということにするの。
6.10.2015
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