27日、土曜日のフランス映画祭で見ました。 『ボヴァリー夫人とパン屋』
今年のフランス映画祭、26 - 27日で6本みた。 前売りで買っていたのは1枚だけだったのだが、やっぱしなんか見たくなって当日券で。 疲れたけど、いかった。
しかしこのホール、前方の段差なしのところは、スクリーンを上にあげるとか、ほんとになんとかしてほしい。前にでっかいひとに来られたときはがっかりうんざりで帰りたくなる。
パリで学術書の編集をしていたマルタン(Fabrice Luchini)は7年前、家業のパン屋を継ぐために田舎に戻って、パン作りはまあまあだけどなんか人生に疲れている。
彼の隣家にイギリス人の若い夫婦が越してくる。夫はチャーリー(Jason Flemyng)、妻はジェンマ(Gemma Arterton)、ふたりの姓はボヴァリー、白テリアはキャリントン。
妻は周囲に溶けこもうとがんばっているようで、なんとなくなにかに疲れ、なにかを求めているように見える。
文学オタのマルタンは、こいつらシャルルとエンマでボヴァリー夫人のプロットそのままではないか、とジェンマのいけなくなるに決まっている恋の行方を、自分もその相手候補に加えつつ妄想思い込み全開にして陰からそうっと見守っていると、やっぱりいろいろ出てきて、さてその結末やいかにー、なの。
結末がどうなるかをばらしたらぶんなぐる、と監督に言われてしまったので書きませんけど、確かに知らないほうがおもしろい。 この結末からいっぱいいろんなこと書けるんだけどなー。
ジェンマの日記、マルタンの見聞その他、がベースだったりするので、当然、フローベールの原作の窒息させられるようなスリルと緻密さはないものの、原作の元ネタになり得たかもしれない「事件」へのアプローチとして、こういうのがあってもよいかも。
周りのすべての人々に笑顔と幸せをもたらす象徴としてのパン屋 vs. パン程度では満たされないなにかを抱えこんだ人妻(妄)、という構図。 捏ねて焼いて落着するんだったら人生苦労いらねえ。
原作はグラフィックノベルだそう(未読)だが、脚本にはPascal Bonitzerさんも参加している。
ジェンマを演じたGemma Artertonさんは”Hansel & Gretel: Witch Hunters” (2013)のグレーテルだったひとだが、ちょっと不満太り気味のジェンマをとってもうまく演じていて、監督のAnne Fontaineさんは、こないだの”Adore”でもそうだったように自然のなかの女性をとても美しく撮っていて、綺麗な女性映画としても見ることができる。 ねっこはおやじ映画(ポルノ転用可)だと思うが。
あと、キャリントンかわいー。
6.28.2015
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