出張にでる前の日、27日の土曜日、新宿でみました。
やっと見れた。 「恋愛日記」と「ご機嫌ななめ」だったらどっちを取るか。
「ご機嫌ななめ」のほうを取ってしまうのがいまのじぶん。
英語題は”Our Sunhi”。
オープニング、まっきいろのバックに手書きみたいなハングル、放課後の小学校で鳴っているようなピアノがぶかぶかと被って、「なめてんのか?」のかんじがやってくるとそこにはもうホン・サンスの世界が拡がっている。
ソニは大学の構内でかつての先生に米国留学の推薦状を書いてもらうためにやってきて、久しぶりだったし先生は今後のことも含めて当然いろんなことを聞いてくるのだがソニにはなんかそれが気にくわない。
なんかもやもやしてチキン屋に入ったら窓の外に元カレが歩いていたのでそいつを呼びこんで、でも彼はソニにまだ未練たらたらであれこれ言ってきて、彼とはもうおわったと思っているソニはめんどくせえ、ておもう。
元カレは未練たらたらの延長で先輩に会って、居酒屋でチキンを取ったりしつつぐだぐだ飲んで泣き言を垂れ流してみっともないのだが、まあよくあるはなし。 今度はその先輩がソニに偶然会って、また同じ居酒屋で同じような展開になって、妻と別居しているらしい先輩はソニのことが気になってくる。
ソニの推薦状を作る先生もソニに会っているうちになんか仲良くなって、この娘をなんとかしてあげなければ - なんとかしてあげられるのはこの自分だけだ - みたいになってくる。
そしてクライマックスは、前のなんかのホン・サンス作品(金太郎飴なので題名わすれた)にあったように公園での息を呑むすれ違いで、かといってぜんぜん盛りあがらないまま、誰が幸せになって誰が地獄に堕ちるのか不明のままにぷつん、と途切れてあの4人の像はあの公園のなかに永遠にとどまって彷徨っているの。 すてき。
恋愛がないからご機嫌ななめなのか、ご機嫌ななめだから恋愛がやってくるのか、ご機嫌まっすぐだったら恋愛はいらないのか、そんなような戯言の向こう側で、それぞれがそれぞれのご機嫌ななめを抱えこんですたすた歩いてすれ違って、それだけの映画。
恋愛なんてチキンみたいなもんだ。 食いたいやつが食えばいいだろ、とか。
10.11.2014
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