25日、金曜日の晩、シネマヴェーラのナチス映画特集で見ました。 「最後の億萬長者」。
「奥様は魔女」のRené Clairならば見てみようかな、てなった。
ヨーロッパの架空の小国、カジナリオはカジノで成り立っている国で、乞食ですら裕福だったのにやがてお金がなくなって破綻するのが見えてきて、国外にいる唯一の大金持ちバンコ氏に融資を要請したら王女との結婚と引き換えねって言われて、でもとりあえず来てもらったら国民もばんざいーで、でも独裁体制敷かれて政権内部はバカみたいな抗争とか御触れとかばっかしになって散々なのに国民はなんか喜んでいるふう、ていう底抜け困った国の風刺どたばた喜劇で、まあばからしい。
カジナリオ国といいバンコ氏といい、いかにもだし、王室解体しろとか責任者でてこいとか革命じゃ、とかにはぜったいならなくて、とにかくお金、お金が調達できさえすれば中も外もなんとかなるんだから、て王室も国まるごとのんびり信じて疑わずに突っ走ってしまうところがなかなか。
「奥様は魔女」で魔法や呪いが恋や一族の歴史すべてを絶対支配して全てを転がしていたのとおなじようにここではお金がピラミッドのてっぺんにあって、しかもそれについて誰もおかしいとは思わないし言わないし。
喜劇だからおかしければそれでよいのだが、爆笑、ていうほどのところに行かないのは十分シャレになっていないからだ、これってもろ二次大戦前のドイツとか日本じゃねえの、と思えてしまうのだが、IMDbによると1936年のKinema Junpo Awardsの外国語映画賞を獲っているのね。
ラストの王女のオチはなかなかびっくりで、目が点になった。 そんなのありか。
5.06.2014
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