10日の土曜日、「大佛さま...」のあとで新宿に移動して見ました。
原題の"Labor Day"ていうのは、9月の第一月曜日の祝日で、夏の終わり(=学校の新年度の始まる前)にくる連休のことで、このタイトル、この映画で描かれていることに照らして見るととてもよく見えてくるものがあると思うのだが、この「とらわれてうんたら」みたいな邦題だとぜんぶおじゃん、だよね。 ちなみに夏の始まりは"Memorial Day"で、ちょうどいまなの。
Jason Reitmanの新作、なら見る。 すごい、とはぜんぜん思わないけど、このひとのは見てあげないと、ていうかんじにはなる。 (Alexander Payneとかもおなじ系)
87年(はんぱな年..)の夏、Adele (Kate Winslet)は一人息子のHenry (Gattlin Griffith)とふたり暮らしで、夫とは離婚しててちょっと情緒不安定で、Henryはそんな母親を支えなきゃ、みたいな意識が芽生えはじめたお年頃で、物語は主にHenryの視点で語られる。
スーパーマーケットに買い物に行ったふたりは、怪我をしてて車に乗せてくれ、てFrank (Josh Brolin)に強引に請われて家に連れて帰ることになって、そしたら彼はTVでがんがん指名手配中のリアル脱獄犯だったの。 でも強そうだしこわいので言われるがままにしていると、料理作ってくれたり家の建てつけ直してくれたりキャッチボール教えてくれたり、いろいろ便利で頼もしかったりする。
そのうちAdeleとFrankは動物みたいに仲良くなってきたりするので、これって疲れきったAdeleの妄想か、ママを想うHenryのお祈りか、とか思ったりもするのだが、FrankはFrankで囚人に堕ちた忌まわしい過去を抱えていることが明らかになり、みんなそれぞれに沸騰点を抱えたままボロ屋にうずくまっていて、そんな夏の終わり、すべてをふっきるために車でカナダに移住することを計画する。
ぐずぐずぐだぐだした終わり方、ほんと終りのほうはじれったくてしょうもなくて、その亀のような不器用さこそが彼ら(みんな)だったのだ、と思えなくもないのだが、もうちょっと(映画としては)なんとかする余地があったのではないか。
でもこの、もうちょっとなんとかしてほしかったかも、の部分て、”Up in the Air”にも”Young Adult”にもあったJason Reitmanの映画の核心であるような気もして、そう思ってみれば、あの甘々のエンディングも許してあげてもよいのかも (← 何様だおまえ)。
Kate Winsletの順調だったのにどこかで壊れてしまった不安定な人妻とJosh Brolinの強面だけど割と繊細、な組み合わせの体臭が漂ってきそうなむっちりしたかんじは悪くなかった。 夏の終わりのそんなふたりの。
ピーチパイを作るところは、もうちょっと上の角度から見たかったかも。
アメリカの桃は堅めでそんなに甘くなくて、パイには丁度よいんだよね。(リンゴも)
で、この夏はここ行きたい。
http://www.grubstreet.com/2014/05/four_twenty_blackbirds_opening.html
5.26.2014
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