木曜日はマイアミの天候がぐしゃぐしゃで、最終の金曜日はNYがぼろぼろで、降って止んで降りだしたらどしゃぶりで風もぼうぼう、がえんえん反復された。
金曜の晩、Times SquareのAMCで23:30の回に見ました。
シネコンで深夜の行列に並ぶのはUnion SquareでのTwilight以来だったかも。
AMCのETX(Enhanced Theater Experience)ていう爆音仕様、Dolby ATMOSで3D。
IMAXのもあったが、まずはこっちにした。 どうせもういっかいみる。
フィリピンの廃鉱からはじまって、日本の原発、ハワイの津波、べガス〜サンフランシスコに渡って繰りひろげられる核をめぐるMUTO(ていう怪獣、のつがい)とGodzillaの戦い。
これから日本でも怪獣映画の論理とか説話構造をめぐっていろんな思いを抱えたいろんなひとたちによる議論が巻き起こることでしょう。 それはとてもよいことだし、徹底的に議論する価値のあるスケールを持った作品だと思った。 東宝チャンピオン祭りで育ち、80年代東宝ゴジラなんてクズだと思っていて、Roland Emmerichによる98年版もなんだこれ ? で、Gareth Edwardsの前作”Monsters” (2010)での怪獣の見せ方が嫌じゃなかったひとにとっては、当たり、だとおもう。
NY1の映画のおじさんは腐れリンゴを付けていたが、そんなことないじゃん。すごくいいよ。
日本の場面は当たり前のように原発事故を、ハワイの場面はアジア各地の津波を、サンフランシスコのビル倒壊は911を思い起こさせて、その描き方は圧倒的に正しいの。起こってしまったことは起こってしまったことで、巻き戻すことはできない。多くのひとが「映画みたいだ」と言った現実の映像を映画の側に置き直すことで再生されるリアリティ、そこに「怪獣」を - 生態系のバランス - アンバランスという概念を接合すること。 54年版のオリジナル「ゴジラ」が未だに持っている力もそういうことではないか。
あー、ひとによっては平成ガメラとの比較でなんか言うかもしれない。 けど、映画で一番近いと思ったのはスピルバーグの「宇宙戦争」だったかも。 乗り物からの映像とか鳥とか燃えあがる電車とか。
海を渡っていくシーンとか、橋のとことか、怪獣のでっかさ、異様さがでっかく描かれているところもよい。 “Monsters”でもそうだったけど暗がりや闇の向こう(の蠢き)を描くのがうまいのね。
そしてなんといっても、火を吹く瞬間の驚異とカタルシス。
Ken Watanabeはちょっと弱かったかも。やんわりと抑え込まれてしまう反原発のひとみたいな立ち位置。
あと、Elizabeth Olsenさんがふつうの主婦をやっているのを初めて見たかも。
音楽のAlexandre Desplatさんは伊福部昭に及ぶべくもないが、がんばっていて気持ちよかった。
特に太鼓のどーん、どーんとか。
この次のは西回りで、セラフィールドあたりからNYに上陸してほしい。
ねえねえ、それでも原発は安全ていうの?
5.17.2014
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