14日の水曜日の19:00、BAMの"Punk Rock Girls”の特集で見ました。
ご飯を食べている時間なんてなくて、売店でBakedのクッキーとコーヒーだけ。
でもこれだけで十分だった。 体が溶けそうなくらい沁みた。
客層はわかるよね、じじばばばっかし。
日本でも公開されたのを憶えているが当時は見ていない、サントラが発売されていたことも憶えているが聴いていなくて、でも Hazel O'Connorのメイクのきついおばさん顔とか、そういうのはなぜか残っているもの。
ほんとは翌日15日の"Starstruck"(1982) - 今回の2回の上映のためだけにオーストラリアからフィルム輸入したんだすげえ高くついたんだぜ - のが見たかったんだけどねえ。
Kate (Hazel O'Connor)は、街場のパンク(になりたい)娘で、自分でビラ貼りしたりいけてないバンドでがーがー叫んだりしていて、プロモーター志望のDanny (Phil Daniels)と出会って、やがて"Breaking Glass"ていうバンドができて成功して、ふたりは恋に落ちるけどなにかを失ってネジが外れて傷ついてシーンから消える、みたいな。
ちょうどパンクが死んだ直後、雨後のなんとかみたいにいろんなバンドが出てきては消えて、ざわざわしていた頃の英国、みんなが夢見て憧れていた頃、音楽的には青春のただなかにあった英国の様子が表裏含めてストレートに描かれている。 マーケティングもくそもない状態での(ある種典型的な)バンドの成功とナイーブな、ナイーブすぎる挫折を描いただけ、Kateの白塗りメークとか気負いとかいろんなものが過剰で切羽詰まっていてちょっと恥ずかしい、けどそういうもんだと思っていた。 今の子供たちが見たら我々がグラムに感じたのと同じような目のやり場に困る感、があるかもしれない。
金儲けでも音楽形態でも絆を求めてでもなくて、とりあえず自分のなかのなんかを吐き出す、吐き出したら、吐き出せたらとりあえずそれでいい、みたいなそういう衝動と共に鳴っていた音。 パンクは自分も含めてしんじまえ、だったけど、そのあとに出てきたこれらはいちいち「自分」がいたりするので、なんかどこか恥ずかしいのね。 で、これらを愛おしい、と思えるほど老成もしていない(と思いたい)。 35年前の話なんですけど。
音楽監督はTony Viscontiなのでそれなりに厚くかっちりと作ってあって、製作はA&Mなので当時のA&Mの新人たちのポスターが端々に出てくる。 PoliceとかSqueezeとかJoe Jacksonとか。 ほかにはUltravoxとかPILとかもロゴが見えたり。
そういう時代の空気感、みたいのがあって、ロンドン(かその郊外か)の街を上から撮っただけのシーンでも、フィルムの錆びれ具合も含めて、ああーってなる。 あの頃の英国...
Phil Danielsは、"Quadrophenia" (1979) - 「さらば青春の光」のJimmyで既に有名で、他にはバンドのサックス奏者(だけど耳がよく聞こえない)でJonathan Pryceなんかも出ていて、この辺もまたいろいろ微妙に懐かしいのだった。
で、再びG Lineに乗ってWilliamsburgに戻る。
5.20.2014
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