4.19.2014

[film] Hunger (2008)

8日の火曜日の晩、渋谷でみました。
"12 Years a Slave”もまだ見ていないのだが、この監督の長編デビュー作である本作もまだ見ていないのだった。

1981年の北アイルランドの刑務所、英国政府(サッチャー政権下)の北アイルランド紛争関連で拘束した人々を政治犯として認めないとする方針に抗議して獄中のIRA暫定派(Provisional Irish Republican Army)が行った一連の活動、なかでもBobby Sands (Michael Fassbender)が中心にいたハンガーストライキの様子を描く。

政治犯として認めない、ということは重軽の「犯罪」を犯した囚人と同じように見られ扱われることを意味していて、そんなのちがうだろ、と囚人達は支給された囚人服を着なかったり、お皿を打ち鳴らして騒音たてたり、大小をトイレではせず廊下に流し、糞を壁に塗りたくる。看守側もまったく動じることなく、強制断髪に強制風呂、消毒剤噴射、なにより暴力暴力、等々で断固制圧しようとする。

壁にこびりついた汚れをこそいで取る、というのが権力者のやり方であるのなら自分の身体を自分でこそいで消せるものかどうか見せてやろう、消してみろよおら、というのがハンガーストライキのアプローチで、それは自分で自分を消す過程をじっくりとデモすることに他ならない。

制圧するやりかたも抵抗するやりかたも全体としてものすごく痛そうできつそうで見るのがしんどいのだが、目を背けたくなるような汚れた描き方はしていなくて、これを見つめ、見届けなければいけない理由はなんで、それはどこにあるのか、をきちきちと積んで、追っていく。

特にBobbyが旧知の神父との面談のなか、ハンガーストライキをすること、その決意(死の覚悟を含めて)を静かに語るワンシーンワンカット(10分以上)の吸引力はすごい。
こういうのも含めてあんまり汚れのないきれいな映像、シンプルな画面構成のなかに置いていったことに賛否あるのかもしれないが、これはこれでよいのでは、とおもった。 がりがりひょろひょろのMichael Fassbenderとかも。

ほんの30数年前の英国でほんとうに起こって、Bobby Sandsと他9名が亡くなったこと、だけでなく、今でもグアンタナモとか、世界の至るところで知られることなく行われているのだ、ということと、あんな法ができてしまった日本もぜんぜん圏内であることは、改めてね。



今日はRecord Store Day2014で、新宿に行ってきて、これまでの年より少しはあった、けど欲しいやつの半分もない。 これから入ってくることを祈る。 お祭り気分をやたら煽っていたタワレコにも行ってみたが、既存のアナログ在庫並べただけで、RSDの商品はほとんどなし。 ひどいねえ。

本日のでっかかった獲物、LCD SoundsystemのMSGのラストライブ5枚組 - 1枚目と5枚目 - を帰宅してから聴いた。 ものすごくよい音で、なんか泣きたくなった。 現地で見たかったよう。

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