23日の昼間、シネマヴェーラの山村聡特集で見ました。この映画ではオジサマではないのだが。
原作は谷崎潤一郎の同名小説(読んでいない)。
お国(木暮実千代)と従者の五平(大谷友右衛門)が旅をしていて、なぜかというと許嫁だった友之丞(山村聡)をあんな文系のなよなよしたやつはだめじゃ、と父の言いつけに従って振って伊織(田崎潤)と一緒になったら友之丞が伊織を夜討ちで殺しちゃってその敵討ちのためなの。 見つけたらぶっ殺していいから、ていう許可証もって、一族からの期待を一身に背負って、だから手ぶらで帰れない。
友之丞がいそうなところをあたっても見つからなくて、疲れたお国は体壊してばかり、五平がかいがいしく介抱してばかり、やがてふたりは主人と召使いの一線を超えて、敵討ちなんてもうどうでもよくなってきたどうしようか、のあたりで突然友之丞が現れて、自分の命乞いして、もうこんなことはやめよう、ていうの。 君たちの視界から消えるから無駄な殺生はやめてお互い平和に暮らそうではないか、という友之丞の言い分は100%正しいと思うのだが、お家を背負った彼らにそのオプションはありえなくて、忠犬五平は友之丞を斬ってしまって、そのあとで友之丞の尺八の音色がどこまでも追いかけてくるのでひええ、て怯える。
相手が自分にとってふさわしいと言えるのは、それを決めるのは誰なのか、ていうのと、人ってふさわしいと思うから相手を好きになるわけではないよね、というのと、いろいろあって、かわいそうなみんな... なのだった。 親が決めた伊織との結婚もうまくいっていないようだったし、でもこのあとでお国と五平が一緒になったところで苦しみの総量は変わらないように見えるし。
木暮実千代って、こういうがんじがらめのなかで「はぁはぁ...」て悩み苦しむ姿が本当に絵になるのね。
4.01.2014
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