マンハッタンのライブヴェニュー、Roseland Ballroomが4/7のLady Gagaのライブ(曰く「10日間のお葬式」)をもってクローズするという。ダンスホールとして建てられたのは1922年だそうなので、約90年の歴史に幕を閉じることになる。
こないだ出たNew York Magazineの"100 Years, 100 Songs, 100 Nights" - NYの音楽100年特集(6種類の表紙のうち、3つおさえた)に、NYのライブヴェニューの歴史マップが出ていて、それみてああ懐かしー(これだけじゃないけどね)、とか思っていたところなので余計しんみりする。
この小屋は、90年代中頃 - ちょうど20年前(うぅ…)くらいのAlternativeがあがっていった時代、ここよかちいさめのIrving Plazaと並んで大きめ(キャパは約3000)のライブヴェニューとして欠かせない存在だったの。 00年代に入ると、そういうライブは34thのHammerstein Ballroomで行われるようになり、今だと、Webster Hallあたり、と少し大きめのだと野外フェスとかでまかなうようになっているかんじが。
90年代はほんとにいっぱい通った。
地下ががらんとでっかくてクロークがあって、同じようにがらんとしたトイレではドラッグだかアルコールだかにやられたガキがよくげろげろになってしんでた。まだがらがらの前座の時間帯に入ると古い倉庫の中のような、ちょっと甘い独特の臭いがあった。
行ったライブで今もよく憶えているのは、HelmetとSick of It AllとかLiving ColourとBad Brainsとか、Radioheadの"The Bends"のもここだし、Pavementの"Crooked Rain, Crooked Rain"のも、NINの"The Downward Spiral"の最初もここで(チケットはあっというまで取れなかったの)、Jeff Buckleyの"Grace"バンドのラストもここだったし、Sex Pistolsの96年の再結成もときもここ(ステージ脇にDennis Hopperが立って腕組みしてて、ぜんぜん集中できなかった)、でもいちばんぱんぱんでやかましく大騒ぎになったのは95年のBob Dylanだったかも。 アンコールでステージ両脇からNeil YoungとBruce Springsteenがギターをがしゃがしゃしながら出てきたときのどよめきときたら、最初なにが起こったんだかわからなかった。 00年代になるとBowery Ballroomに通うのがほとんどになって、憶えているのはCD2枚買ったらタダで行けたAC/DCくらい。
ここのひとつ上のブロックには誰でも知っているEd Sullivan Theaterがあって、先週、ここを拠点にしていたLate Show with David Lettermanのクローズ(ていうかDavid Lettermanの引退)が発表された。 SNLやこの深夜のトークショー(最近だとJimmy Fallonもそう)が音楽シーンに与えた影響もまたはかりしれないものがあって、溜息もういっこ、だったの。
建物や場所がなくなっても音の記憶は失われない、てよく言われて、昔はそんなこと言われてもよくわかんなかったのだが、最近ほんのすこしだけ。 Roselandで鳴っていた音はBoweryのともHammersteinのともMSGのとも違う、別の種類ので、そこの幽霊が鳴らすのは例えばJeff Buckleyのバンドが最後の最後に演奏した"Hallelujah"だったりする。
もういっこ、ここから更に北東に歩いていったとこにあるRizzoli Bookstoreも建物の取り壊しでなくなってしまう、って。 NYで一番美しい本屋さん、あそこの2階から眺める57th st がほんとうに好きだったのになあ …
4.06.2014
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