10日の朝に成田から大連に飛んで、滞在25時間、11日の夕方に戻ってきました。
行きも帰りも3時間くらいなので、機内映画は見れても1本。
行きではなんとなく、My Best Friend's Wedding (1997) をみた。 ほんと久々、何回目か。
「結婚」(かぎかっこ入り)をテーマにしたロマコメの最高峰にある一本だとおもう。
Julia RobertsとDermot Mulroneyの友情の間に突然割ってはいってきたぴちぴちのCameron Diaz、そうなってはじめて彼への愛に気づいて慌ててあれこれぶち壊しにかかるのだが、壊れていくのは自分ばかり、ていう。 残酷で不安定でばかばかしくてでもしんみり泣けてしょうもない。
レストランでみんなが"I Say a Little Prayer"を合唱するところとか、ラストにRupert Everettが現れるとことか、だいすきなの。
Julia Robertsを代表するいっぽんはこれだ、て思う。
機上から見下ろした大連は黄色のもやもやで上にある空のほうもくすんだ水色でまるでロスコの絵が窓に貼りついているようで、幼少期から筋金入りの喘息もちはそれだけで息苦しくなりきっと死んじゃうかも、と目をつむったのだが、そんなでもなかったかも。 でも二日いたらしんどかったかも。
こないだ香港に日帰りしたときは、殆どが夜の街中だったので建物の隙間とか道の奥の暗がりがぜんぶジョニー・トーに見えたのと同じように、大陸だとなんでもかんでもジャ・ジャンクーかワン・ビンに見えてしまう(←ばか)。 つまり、建物とか岩肌とかはやたらでっかく威圧的でかんじわるくて、ヒトはみな虫のように小さく、顔をしかめて背をまるめて歩いている。
大連は2008年にも一回来ていて、山の中腹にあるその会社のひとは「まだ建設中ですから」て言ってて、今度も別のひとが「まだ建設中ですから」て言ってた。 万里の長城をつくっているかんじ。
中国っておもしろいねえ、人も国も。
晩ご飯にはおいしい中華を期待していたら韓国焼肉で、肉も海鮮もおいしかったので文句はないのだが、メニューにDog Meat、てあったあれは ...
朝ご飯はホテルのビュッフェで、和洋中なんでもすごい物量だったが、やっぱしお粥にして、それもおいしかったが、なにより驚愕だったのはエッグタルトでしたわ。
ご飯の後で街中をうろうろしてて、ホテルの近くにあるらしい満鉄博物館ていうのに行きたかったのだが、辿りつけなかった(行きたいならちゃんと調べろ)。 前日まで内田百閒の「旅順入城式」を持っていって現地で読むこと、て言い聞かせていたのに忘れた、ことを思いだした。
古い建物の朽ちたかんじとその向こう側に聳える高層ビル群、その間に這いつくばる商店飲食店の汚れた原色の組み合わせがなかなか素敵で、でもやっぱし埃があー。
散策中にシネコンふたつ見つけた、ので次はかならず。
帰りの飛行機では"Grudge Match" (2013)を見た。
'Razor' Sharp (Sylvester Stallone)とBilly 'The Kid' (Robert De Niro)はずっとライバルでチャンピオンの座を巡って張りあってきて、30年前にRazorが突然引退してから互いに関わらずに生きてきたのだが、TVゲームの企画で顔を合わせて大喧嘩した様を動画に撮られたのがネットで広まって、ギャラとか生活苦とかもあるので嫌々試合をすることにする。
"Rocky"(実は見てない)対 "Raging Bull"かよ、痛々しいだけで笑えないじゃん、のとおり、最初はぜんぜん笑えないのだが、Razorの老トレーナー(Alan Arkin)とか、Razorの恋人だったKim BasingerがKidと浮気したときにできちゃった息子がKid側のトレーナーについたりとか、しぶとく反省しない、自分らが一番と思いこんだ一族郎党の物語として転がり始めたあたりから拳が勝手ににぎにぎしだしてああだれかこいつらを止めろ、と熱くなってしまうのだった。 悪くないの。 アメリカの威風堂々バカ伝説に軽くのっかるやつ。
音楽もT.RexからStonesからThe Heavyまで、ばりばり豪快でやかましくて気持ちいいのばっかし。
でもいちばん笑ったのはエンドロールのとこで出てきた耳食い(リアル)伝説のふたり。
あと、機内誌の特集がNew Yorkの本屋さんだった。 あんまし、だったかも。
大手/オンライン書店 vs インディペンデント書店、みたいな図式はもういいかげんやめてもいいよね。
それでも最近の日本の本屋のどうしようもなく気持ちわるい偏向ぶりよかましではある、のだが。
4.12.2014
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