お休みだというのにこのすりきれたぼろかすのかんじはなんなの。
13日の日曜日の昼間、新宿でみました。
邦題なんて書くもんか。ネタバレもするよ。実話だし。
Steve CooganもJudi Denchも好きなのでー。
ヘマをして一線から転げおちた政治ジャーナリストのMartin (Steve Coogan)は、ある女性の母の話しを聞いてやってくれと頼まれて、そこに現れたのがPhilomena (Judi Dench)で、若くてやんちゃだったころに幽閉されていた修道院から連れ去られてしまった息子を探してほしい、といわれる。
静かに隠遁してロシア史でも執筆しようとしていたMartinだが、雑誌に持ちかけたらやってみろと言われるし、Philomenaがなんか必死なので一緒に探し始める。
Martinは典型的な英国の、ケンブリッジ出のいけすかねえやろうで、PhilomenaはC級恋愛小説が好きで放っておくとひとりでずーっとぺちゃくちゃ喋っている、典型的な英国のおばあちゃんで、まったく噛みあわないふたりが、まったく噛みあうはずのなかった戦後とか宗教とか国家とかそういうのに直面させられることになる、ていうのを大風呂敷広げることなく、かといって、子を想う親のこころは... みたいなうざいとこにもいかない。 ふたりの俳優のどこかしらしらっとした演技はそういうとこを断固回避、しようとしているように見える。
ふたりは当時の教会が子供を売っていた事実をつきとめて、それを買っていたアメリカに飛ぶことにする。こうしてようやく突きとめた彼女のアンソニーは、レーガン = ブッシュ政権の法務担当の役人をやってて、ゲイで、もう亡くなっていた…
残念だったけど、写真やビデオでは会えたのだし、パートナーもいて不幸な人生じゃなかったみたいだし、それでいいでしょ、で終るのかと思ったらそうはいかないの。 息子は母親のことを、自分の国のことをどう思っていたのか知りたい、50年前、走り去る車の後部座席にいた最後の息子の像と亡くなるまでの彼の軌跡を結んでみないことには納得いかない。
こうしてPhilomenaの最後の旅はかつて自分が幽閉されていたカトリックに、自分のなかにいて常にすがり続けてきた神に立ち向かうことになって、それがどんなに過酷で厳しいものか、それに気づいた瞬間、懺悔室での彼女の青灰色の瞳に浮かぶ複雑な、でも強い強い感情の揺れがほんとにすごくて打ちのめされる。 Judi Denchすごい。
この週末に見た3本はぜんぶゲイの映画でしたわ。 それがなにか。
4.26.2014
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