31日の土曜日、Moving Imageのあと、地下鉄をばらばら乗り継いで、Landmark Sunshineでみました。 木曜日から公開になったばかりの。
女優のLake Bellさんが脚本書いて、監督して製作して、主演もしている。
あんた、どっから出てきたの?と思わず顔を見てしまいたくなる、めちゃくちゃおもしろくて素敵なラブコメ。
映画の予告編の冒頭、渋く、どっしりした"In a World..." (とか)から始まるナレーション、その声は、映画本編よりも多くの人の目と耳に触れて、その映画の印象を植えつける機能がある (そういえばそうね)。 最初にその業界の伝説だったDon LaFontaine (1940–2008)さんを紹介するフッテージがあって、Carol(Lake Bell)のパパ(Fred Melamed)もそんな映画の予告編ヴォイス業界にずっといる重鎮で、彼女もヴォイス・コーチのバイトをしながら予告編の仕事をもらうことを夢見て走りまわっている。
重鎮である父親はCarolのことも、彼女のやりたい仕事もわかっているふりをしつつみっしり抑圧をかけてきて、家を追いだされて姉のところにやられたり、姉は姉でいろいろあって、もちろん自分の恋だってどうするんだ、で、大変なの。 そのへんの家族内の、自虐もふくめたじたばたしたノリは"Tiny Furniture"のLena Dunhamを思い起こさせたりするのだが、あそこまでとんがったかんじはしなくて、ラブコメのきゅんとくる爽やかさが前に出てくる。
かといって、単純なキャリアと家族と恋と、みたいなちっちゃいところに落ち着いているわけでもない。
それはまさに"In a Workd..."という呪文と共に「世界」を支配するのは、掟をつくるのは誰か、という切実な問題、その声を反射し遮る壁とか、そういうでっかい問題がむこうに見える。
スタジオのエンジニア(Demetri Martin)とのぎこちないやりとり、特にカラオケとゲーセンで目一杯遊んだあとの彼との会話のとこなんて、キュートすぎて今年のベストなんとかをあげたくなるくらい、すばらしいー。
Lake Bellさんは、最初からきらきら輝いているわけではなくて、2回目に目があったくらいからおや? って引きこまれていく、そんなタイプ。 ということを劇中、セレブ声優からナンパされたときに言われて、それと同じことが映画を見ている我々にもおこる。
おはなしは最後、ある映画の予告のナレーションの座をめぐって父親との勝負にまで転がっていって、結果は見えているんだけど、いいんだねえ。
音楽はSqueezeの"Out of Touch"とか、Haircut 100なんかがちらっと聴こえたりとかで、そんで最後に堂々と鳴り渡るTFFのあれなんて、うまいなー、てみんなで感心して、わーわー拍手がおこった。
で、シアターからでたところで、"In a World..."ってみんなで真似して声に出してた。 なかなかむずかしい。
"Austenland"見て、これ見ると、Nora Ephron以降とか、だいじょうぶかも、とか少しおもう。
それとあと、Cameron ...
9.06.2013
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