9.19.2013

[log] New Yorkそのた2 - September 2013

NYでの食べものあれこれのおはなしが長くなったのでわけました。

31日、土曜日の晩、久々にBlue Hillに行った。
ここは本当に好きで、革新的なことをやっているわけでも、うんとかっこいいわけでもなく、料理としてはトラディショナルなほうだと思うのだが、食材いっこいっこがみずみずしくおいしくて、それだけでおいしいもの食べた! という満足感にぞわぞわ襲われる。 寿司屋にちかいかんじなのかも。

いつもはアラカルトにするのだが、プリフィクスが、(1)青魚 →(2)ポーチドエッグ →(3)バークシャー豚 →(4)いちご →(5)あんず、という麻雀のすごいやつ、みたいなふうにパーフェクトな並びだったのでそれにした。 外れるわけがなくて、とっても満足した。

Stone Barnsのほう、昼の農場(はもう行った)じゃない夜のレストランのほうも、いつか行く。

1日の晩は、"20 Feet from Stardom"のあと、10時くらいに行った。 
McNally Jackson Booksのすぐ裏手にあるTorrisi Italian Specialties。

日替わりのプリフィクス($80)のみ。 前菜4品、パスタ(ふたつのうちひとつを選ぶ)、メイン(ふたつのうちひとつを)、デザート(おなじく)。

前菜は、Mozz、Tomato、Tuna、Red Wattle Pork、て書いてあるだけ。
"Mozz"は、あったかいオリーブオイル汁のなかにほかほかまんまるのモッツアレラがぷかーって浮いているだけなの。 温泉玉子みたいに。
これまでこういう、白くてやわらかくてまんまるっこいいろんな食べもののを死ぬほど口に運んできたもんじゃが、これに勝る衝撃はなかった。(あ、でも前ateraの白球でも大騒ぎしたかも)
チーズ、というよか、ミルク球、で噛んでも転がしても飲みこんでもなにやってもミルク宇宙の向こうに抜けてしまう、底なしのほわほわのしょうげき。
"Tomato"は、タルトパイのなかが全部濃厚なトマトで、それがミルフィーユみたいにみっしり積んであって、これもトマト、としか言いようがない。
"Tuna"は青とうがらし汁のスープに赤身が浮かんでいる ...

ぜんぶがぜんぶこんな調子で、このあとのパスタのあさりのリングイネも、メインのDevil's Chickenも、デザートの山羊レアチーズケーキも、なんだよこれ? みたいにおいしいのだった。

NYのイタリアンて、これまで、Mario Batali系の、これでもかのこてこてイタリアン、か、どこまでも素朴なおかあさんの味でしみじみ泣けるSara Jenkins(Porsena)かどっちかだとおもってきたが、ここのは、そのどちらとも違う、これでもイタリアンですけどなにか? というかんじで、おいしいからなんもいえない。
こういうのを味わうと、日本のイタリアンて、悪くはないけどしみじみ弱いよねえ、とおもうの。

こないだここ、プリフィクスの値段をちょっとあげて構成を変える、という発表があったので、また行かねば。

2日の晩、John Zornに並ぶ前に、Mission Chinese Foodに行った。

LESのどちらかというとおしゃれな区画にあって、でも外観は元の店がそうだったのか、典型的なTake Out付のFast Food Chineseで、店のなかもそんなかんじで狭いしごちゃごちゃだし、これだけだとなんでそんな人気があるのかちっともわからないー。

メニューのかんじも、そこらの安い中華とおんなしふうで、でも値段はちょっとだけ高めで、ただメニュー一行一行見ていくと相当へんで、どれもあれこれ食べたくなる。

そんなにお腹へってなかったので頼んだのは3品だけ。

Beijing Vinegar Peanuts
半熟のふにゃふにゃしたピーナツがお酢(とぴりぴりしたなんか)のたれに浸かっているだけ。 ビールが飲めるひとにはたまんないはず。

Shaved Pork Berry  (EAT THIS WITH RICE!!)
メニュー上ではHot Appetizerのコーナーにあったのだが、Coldだけどいい? と言われて、OK! って言ったら来たのがこれ。
別に作り置きで冷たいわけじゃない。 豚バラ薄切りを辛辛黒黒のしょう油だれでソテーして冷やしたあと、その上にじゃりじゃりのざらめが振りかけてある。
じゃりじゃりぴりぴりじょわー → なにこれ? で最初はすごく不気味なのだが、止まらなくなるのがこわい。  豚好きには恐怖のひと皿。

Pok Pok Pig Tails
これはあったかいお皿。 
さて、「大きな森の小さな家」の冬支度のところに出てくる、じゅうじゅう音をたてて焼ける豚の尻尾を夢みて大人になったひとは少なくないと思うのだが、これが豚のしっぽだ! ついにこんなところでぶつかったぜ。
真っ黒に揚がっているそれは、特大のかりんとう、とか海鼠、とか、道端に落ちてる黒いやつとか、そういうかんじで、これもなにこれ? なのだが、齧ってみるとあーらびっくり、じゅうじゅう音をたてたあの豚の尻尾の肉汁がでろでろと溢れ、豚さんの尻尾にはこんなにも脂汁がつまっていたのかー、とおもった。 横に添えてある大根のピクルスもすばらしく、あんた何の料理よ? なのだった。

どのお皿も驚異的にわけわかんなくて、でもおいしいので、大人数でまた来なくては。

でも、ここの中華は、アメリカのFast Food系のChineseを知っているひとにはうおおおすげえ、てやたら興奮するのであるが、日本の丁寧かつ豪勢な中華料理になじんだ方にはどう映るのか、よくわかんないかも。 料理でいらん衝撃したくないひとには、あんま勧めないかも。

あと、Lafayetteでブランチもたべた。(Soft Scrambled Eggs vol-au-vent with chevre and leeks)
席がゆったりしてて見晴らしがよいので、わるくなかったかも。

あと、John Zornの帰り、The Stoneの近所(Ave. A)にできてたUnion Market - Brooklynのスーパーマーケット- に寄ってみた。
なんと、Bakedのブラウニーやクッキーがマンハッタンでも買える!  またくるべし。


ほかになんかなかったか。 たぶんでてくる。

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