9.10.2013

[film] 20 Feet from Stardom (2013)

1日の日曜日、"Short Term 12"のあと、2ndをだらだら上って、Village East Cinemaでみました。
まだやっていてくれてよかった。 ずっと見たかった、ロック/ポップスにおける女性のバックアップシンガーの音楽ドキュメンタリー。

監督は、ついこないだ亡くなられたJack Clementのドキュメンタリー "Shakespeare Was a Big George Jones Fan: 'Cowboy' Jack Clement's Home Movies" (2005) - これほんとにおもしろかったんだようー - をRobert Gordonさんと一緒に撮ったMorgan Neville。 

最初にBruce Springsteenさんが出てきてコメントして、"Stop Making Sense"からのフッテージに繋がる。
それからDarlene LoveさんとThe Blossomsのふたりが数年ぶりかで再会して、お互いわーわーハグしたと思ったらそのまま平気で"Da Doo Ron Ron"なんかを歌いだすの。まったく崩れないハーモニーとコーラスにあんぐり。 

わたしにとってDarlene Loveさんは神様とイコールで(ライブは90年代に一回みた)、そういう神様みたいな人たちが次から次へと現れて、彼女たちの現在と昔が並べられて、しかもそこには、少なくともその声には、なんのギャップもないの。そんなエピソードと証言、神としか思えないようなフッテージが次から次へと流れてくる。 Lisa FischerさんとかJudith Hillさんとか。

タイトルだけだとあと20ftでスターダムに届かなかった、ふうに読めないこともないのだが、どちらかというとスターダムの、ステージの上空20ftで音楽を見守っている天使のように見える。 みんなでっぷり、どっしりなので大仏かもしれないが。

あきれるエピソードもいっぱいで、"Gimmie Shelter"でぶきちれシャウトをぶちかましているMerry Claytonさんがあれを録ったとき、深夜に呼びだされてしかも身重で、しかも何テークもやらされて流産しちゃって、そんなのをMick Jaggarがへらへら証言していたりして、でも基本、StingもSpringsteenも、どんなミュージシャンも彼女たちのことは最大限にRespectしていてよいかんじなの。(唯一、Phil Spectorだけ極悪非道ふう)

そうだねえ、と感心したのは、いまのレコーディングって、ツール使って声を細かく調整しちゃうでしょ、でもほんとはちがうのよ、それをやるのがあたしたちの声であり仕事なのよ、って力強くいうところ。 しみじみ頷いてしまった。 なんにんかの女性ヴォーカルがDivaと呼ばれてシーンに出張るようになって以降、彼女たちの出番は減ってしまったかのようにも見えて、それって音楽のありかたそのものの変容とも関係しているように思えてならなくて、どうなんだろ? というのを少し考えている。

日本でぜったいやるべきだと思うけど、なんも期待しない。

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