5.04.2013

[film] 限りなき鋪道 (1934)

29日、最初の3連休最後の日、神保町で見ました。 成瀬巳喜男の最後のサイレント作品、だそうな。

銀座のモダンな喫茶室で働く女給の杉子(忍節子)はにこにことっても器量よしで、つきあっていた彼から実家でお金持ちの嫁を貰えって言われたとか、映画会社から女優になりませんか、て言われたりとかいろいろあって、うーんて下向いて歩いていたら車にぶつけられて病院送りになるの。
車をぶつけたのは上流階級の大金持ちの御曹司山内(頭でっかい)で、彼には同じ階級の婚約者らしきお嬢さんもいたのだが、ふたりは恋に落ちて、愛さえあれば、と親族の反対を押し切って一緒になる。

でもやはり階級社会の壁は厚く、姑と義姉の仕打ちに耐えられなくなった杉子は距離を置きましょ、と家を出たら山内は車ごと崖から落ちて包帯ぐるぐるの瀕死状態に。
うんうん病院で唸っている山内の前で姑と義姉に傍にいてあげてちょうだい、と言われるのだが、杉子はあんたたちが維持したいのは家の体面でわたしじゃないんだわ、てぷーんて出ていっちゃうの。 そのさまを見た山内はショックと悲しみのあまり死んじゃうのだが、それを聞いても杉子は足を止めずにぐいぐい行っちゃうの。 従順な女給あがりだと思ってなめてんじぇねえよ、と。

杉子ちゃん、せめて立ち止まって「なむー」くらいやんなさいよ、とするか「かっこいいー!」て喝采を送るかで評価は分かれるのでしょうが、わたしはもちろん後者です。 鋪道は限りなく延びていくんだから振り返るこたあない。

という女性映画として見ることもできるし、当時の喫茶室文化を楽しむだけでもいいの。
ホットケーキ(≠パンケーキ)焼いてて、バターはころころでメープルシロップがない。
あとは壁のメニュー札にあった「トマトエード」と「アメリカンチー」をとっても飲みたくなる。

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