4.27.2023

[film] Missing (2023)

4月17日、月曜日の晩、Tohoシネマズ日比谷で見ました。
邦題は『search/#サーチ2』。”Searching” (2018)の続編のような扱いになっているが人物もストーリーも繋がりはないのが紛らわしい。べつに”Searching” / “Missing”の対で並んだって充分かっこいいのに。

”Searching”で編集をやっていたふたり - Nicholas D JohnsonとWill Merrickが監督をしている。

映画のスクリーンが主人公の操作したり見つめたりするWebやTVやスマホの画面のほぼそのままの投影となり、その画面上で人探しが、事故事件が勃発・推移していくドラマ – 主人公には推理・推測する力に加えて検索や絞り込みや連携といったITスキルも必要とされる、更に見る側も主人公たちが画面に向かってなにをやっているのか、がわからないとわけわかんなくなる、そういう難易度を抱えながらすごい速度で勝手に動いていく(ように見える)画面たちを追っていくことになるので、目もやたら疲れる(年寄りには)。”Searching”のJohn ChoはまだPCのデスクトップが中心だったのでまだなんとかついていけたが、今度の娘さんはスマホでSiriとかも使いまくるし。

ママのGrace (Nia Long)と娘のJune (Storm Reid)は母娘の二人暮らしで、パパのJames (Tim Griffin)はJuneが小さい頃に病気で亡くなっていて、パパが亡くなる少し前、家族で山歩きをした後に鼻血を垂らしたりで具合悪そうなパパの動画を見たりしている。

ある日、ママの恋人でITヴェンチャーをやっているらしいKevin (Ken Leung)がママを連れてコロンビアの方に休暇にでるというのでJuneは少し腐っていて、でも出かけて暫くするとママからの連絡が途絶えて到着予定日に空港でいくら待っても現れない。向こうのホテルを出てから何かが起こったにちがいない、と彼女の足跡を追うJuneの奮闘がはじまる。

で、なんとしても現地の監視カメラへのアクセスがほしい、となって、Webでオーダーできるなんでも屋サービスで現地のJavi (Joaquim de Almeida)を雇い - 彼の時間単価と英語スピーカーであることとレビューのバランスで、こんなもんか、って – ちょっと緩めで頼りない彼とのスマホごしのやりとりを通して現地での彼女たちの足跡を追っていくのと、やっぱり怪しいKevinの過去 - ママとの出会いはマッチングアプリだった – を掘っていくと、彼が前科者だったことや、ママの他に女がいそうなことなども見えてきて、そうしているうちに失踪事件はメディアでも騒がれるようになり、やがてママの友人の弁護士が殺されて、更にはKevinまでが。

ママは生きているのか死んでいるのか、生きているならどこにいるのか、Kevinが消されたとすると今回の失踪はママが仕組んでいる可能性もないとはいえない、などなどの推論が、いろんな検索をぶつけたり掘ったりしていくなかで段々と明らかにされていって、最後にはやっぱり… って、ここにそんなにどんでんの意外性はなかったのだが、とにかくJuneが悩みながら繰り出す技 – アプリや機器を使うその使い方には悩まずにさくさく - ミレニアルおそるべし – に感心するばっかりになってしまうのは、よいことなのかわるいことなのか。自分の身内にこういうことが起こってもあんなの絶対むりだしなー、とか、まるでスポーツ選手の技をみるように。

自分とその周囲の行動がぜんぶデジタルで追跡可能であること、その追跡を可能にするにはSNSも含めて自分のあれこれの足跡がデジタルの世界に残されていること、このドラマはそれらの意識したやつも無意識なやつもとにかく痕が残されていることがベース、大前提で、真犯人もそれらを餌にして執拗にモニターして追っかけてくるので、映画がスマホやPCの画面の上をずっと滑っていくことはわかるものの、そうではない動物とか突発事故とかが出てきたらおじゃんになる。

逆にそういうのを避けるかたちでもっと複雑で膨大なデータのなかに紛れているものがあるのだろうな - 大半のサイバー犯罪がそうであるように – などど思い始めると、今回暴かれた事件の全貌はなんだかスケールの小さいお話 - でも結構ありそう - のように見えてしまったり。このスケールであればこんなふうに解決を導くことだってできるのだろうな、とか。

そうかSiriはあんなふうにも使えるのか、とか新鮮。

次はなにがくるだろう? “Hiding” とか?
ChatGPTもネタとして出てくるかな?

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