9月15日、羽田からLAに向かう機内で見ました。
昔と比べると機内で見たい映画の数も意欲も減ってしまったねえ。1本目は”Everything Everywhere All at Once” (2022) を再見して、うーんぐじゃぐじゃだなあ.. って改めて(でもこれが当たったということは、などを)思って、少し寝てからこれを見た。HBOmaxのリリースのようなので、映画館では公開されなかったのか。
2049年、学生のWalt (Cole Sprouse)はキャンパスのカフェでロボットの上司の下でバリスタのバイトをしながら学生を火星に送る企業プログラムに自己紹介動画を作っては応募しているのだが、30回以上やっても落ち続けていて、バイトも学業も適当でだめでどうしようもないのだが火星行きの夢を捨てることができない。
そんなある日、Waltはカフェで不愛想で不機嫌なSophie Tsukino (Lana Condor) - 月のソフィー? と出会って、彼女は恋人のCalvin (Mason Gooding)が既に火星に行っていて来るように誘われていて、でも自分は飛行恐怖症なので悩んでいる(彼女は資格面でも金銭面でも余裕で旅立てる)。あともう一人、Ginny (Emily Rudd)という大人びた女性 – 明日に火星に旅立つその前の晩 - に出会って、話しているうちに恋に落ちて、彼女に会いに火星に行こう!って改めて燃えあがる。
そんな時に脱出用ポッドに忍びこんでいて火星まで行ってしまった猫の話をニュースで見て、これだ! って飛び立つ直前のロケットの内部に潜りこんで、そしたら旅立とうとしていたSophieとぶつかってなにやってんのあんた、って匿ってもらったりしているうちに – 見つかったら当然逮捕されて戻される - 密航の共犯にされたくないSophieはあれこれごまかしたり偽装させたり、ふたりはぶつかりあいながらだんだん互いのことがわかるようになって、でも火星に着いたら(着いちゃうの.. )Calvinの家族や友人たちが待ち構えていて、Sophieはそっちの方に行くし、あんたと一緒だったことがばれたらやばいのでもう会えない、ってなり、じゃあGinnyの方は? というと別の恋人ができたからごめん、て言われて、更にWaltは当然のように当局に見つかって拘束されて.. そしたらこのプロジェクトを推進する企業Kovi社の創設者のLeon Kovi (Zach Braff)に呼ばれて、君の行動は最初からすべて見ていた、めちゃくちゃだけど見こみあると思うのでこれから建設するどっかの衛星の宇宙ステーションとして雇いたい、って言われて…
だめな自分が憧れた相手は自分と身分や境遇のギャップがありすぎて、既に申し分のないパーフェクトな彼/彼女もいて、反対側の自分はぜんぶ真逆でなにもかも揺れまくってて不安定で、「運命の相手」だって思いこみに過ぎないようなのに、それでも健気にジャンプしてみたりあれこれやらかす → 失敗して相手も傷つけてぜんぶおじゃんになる → そして。 というrom-com展開の王道パターンを20数年後の学園生活とSci-Fi宇宙への旅を絡めて描いてみました。という内容なのだが、これなら別に植民地時代に、異国への冒険に旅立つために豪華客船に乗りこむ(Titanic?)、という設定とあまり変わらないような。
違いがあるとすれば自分のプロファイルとか挙動はぜんぶどこかでなにかしらモニターされててAIが都度アドバイスしたり指導したり、うるさく言ってくる – ここは昔のrom-comだったら親友とか親にあたるのかな – あたりで、要はあまり新しそうなところはないかも。
SNSやチャットにまみれていつでもどこでも繋がれてしまう時代のrom-comって、実はぜんぜんおもしろいものにならない – ありうるとしたらそれはもう昔のrom-comとは別のなにかなのではないか、という気がしているのだが、それのはっきりとした例が思い浮かんだわけでもなく、どこがうまくいかないのかもわからず、なんとなくいつもの”Pretty in Pink”で、なんでAndieはBlaneの方を選んだのか問題(30年以上)なんかが浮かんできてしまったりして、なかなかしょうもない。年寄りはひっこんでなー の領域になってきた、ということなのかしら。
LAからの戻りの便は、ほぼぐったり半死状態で、目が開いているときはスマホのメモ帳に夏の思い出を書きこみながらべそをかいていた。
9.26.2022
[film] Moonshot (2022)
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