3日、月曜日の晩、Leicester Squareのシネコンで見ました。あの邦題じゃだめよねー。
Fox Newsのトップ - Roger Ailes (John Lithgow)によるセクハラ・スキャンダルの顛末を追った実録ドラマ。
2016年大統領選の共和党ディベートでの女性アンカーMegyn Kelly (Charlize Theron) の振る舞いに上からケチがついて、その辺から亀裂が入ってそこからヒビが広がり、同じ頃にベテラン番組ホストのGretchen Carlson (Nicole Kidman)からも同様の狼煙があがり、そこに上に行きたいと切望する若いアナウンサーKayla Pospisil (Margot Robbie)のエピソードが絡まり、いろんなぐだぐだと共にあんまり楽しくないドラマが展開していく。それがいかにものアメリカンメジャーな右派メディアの中枢で起こった、というところも含めてあーあ、なの。
仕事はしたいし自分の野望もある、けどそれを進めていく途上、上には強大で絶対的な権力があって、そいつの言うことを聞いたり従ったりしないとこの先なにもできなくなる、それは会社社会だと割とどこでもあったりすることだと思うのだが、そこで求められるのが自分にとって嫌なことだったり明らかに犯罪だったりしたときにどうするか - ①それでも飲みこんで上とか自分のやりたいことをめざす、②できるだけ関わらないようにして適当にやりすごす、③ふざけんじゃねえ、って告発する、などなどのやり方があって、この映画でもそれぞれの選択をする(というほど明確ではないけど)女性たちとそのアンサンブルが描かれていて、そこでの彼女たちの強さと連帯(というほどのものではないけど)が#MeTooの盛りあがりがあろうがなかろうが示されてよかったねえ、ていう辺りがこの映画の中心なのだと思う。
ドラマとしてはそれでいいし、実際にあったことだし、それに特に文句をつけてどう、というものでもないのかな。で、見る人は見てCharlize TheronとNicole Kidman、最強だよねって思うし実際そうだし、でもその反対側で、見たくない人はぜったい見ないかんじ(それかSNSに出てくる「自業自得」とかいう訳わかんないコメント吐くだけ)のトーンに出来あがってしまっているのがちょっとだけ。そのうちHarvey Weinsteinのもできるかもしれないけど、それも同じかんじになるよね。 ほんとうはあいつらと同レベルの、会社組織にうじゃうじゃいる腐れた豚野郎どもの目ん玉ひんむいても見せてやれって思うし、更にいうといまの職場環境にいちばん多くいそうな(この映画の)Kate McKinnonみたいな女性たちにも見てほしいし、いろいろ考えてしまった。 映画から少し離れてそんなことばかり思ったりするのはよいことなのかどうなのか。
これっていろいろ絡まった「スキャンダル」として表に出たから見る/見ない、ではなくて、いまどこの職場にもあるハラスメントとかしょうもない圧をどうするのか、っていうことで、この映画ではBombshellの爆風が吹きとばしたわけだが、そんなのそうあるもんでもないし、結局のところ潜在ハラスメント社会/会社(特ににっぽんの)にとってはべつに痛くも痒くもないやつになってしまっていないかしら?
それならいっそのこと、金属バットとかとんかちでぼこぼこに潰していく ↑ みたいなやつのほうがまだ …
2.14.2020
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