23日の土曜日の晩、Meltdown Festで、Royal Festival Hallで見ました。
これのチケットの発売当日、NINの方はサイトに入る前に売り切れで泣いたのにこれのはなぜか最前列が取れてびっくり、ていうのは前に書いた。 で、しばらく経ってMeltdownの次のアーティストたちが発表になってそこでSuzanne Vegaを取ったら、これがこのmvbとだぶっていたことがわかって、今度は彼女の方を諦めた。 (そしたら当日の昼間、Southbankで彼女、バスキングしてたって…泣)
このイベントとは関係ないけど、Barbicanの方では”Japanese Innovators: Pioneers in Experimental Sounds”ていう特集をやっていて、22日にAlva Noto & Ryuichi Sakamoto、23日にHaruomi Hosonoのライブがあって、Yukihiroさんも来ていることを知ったので、YMOやるんだろうな、くらいは予想できた。けど高校の頃、YMOにはケツむけてTGとかCabsとか聴いていた派なので、今回もスジ通してケツ向けてしまった。
これも関係ないけど、この週のMeltdownは、月曜日がDeath Cab for Cutieで、土曜日がMy Bloody Valentineで、どっちも映画由来のバンド名だよね。
mbvはこれまであまりきちんと聴いてこなかった。”Loveless” (1991) も出た当時に買ったけどどこれのなにがすごくて革新的のか、なんであんなに騒がれるのかよくわかんなかったのね。ライブも、昔のFujiでKevin Shieldsがなんか(Primal?)に飛び入りしていたのを横目で見て通り過ぎた、くらい。ちゃんと聴かなきゃねえといいながら1/4世紀なんてあっという間に過ぎてしまう。
前座はThe Soft Moonで、エレクトロからドラム缶まで駆使したイキのよい3人組で、自分がここまでMeltdownで見たなかでは初期~中期のThe Cureに一番近い音を出しているかんじで、なかなかよかった。
mbvは20:30の開始。自分の席は少しラメの入った夜会服の装いのBilindaさんの前で、Kevinは反対側だったのだが、彼、少しやせて、髪は変わらずもしゃもしゃで、どっかの映画作家みたいだと思った。
一応耳栓が配られていて最前だし覚悟しなきゃ、だったのだがそんな爆音でもなくて、途中で試しに栓してみたらあんま聴こえなくなったので外して、それでちょうど気持ちよいくらいだった。(年取って耳が遠くなっただけなのかも)(これまで、耳栓ないとやばいかも、てなったライブは不失者とNapalm Deathくらい)
この前の晩のNINはフロアの椅子席にいる全員ぜんぶが最初から立ちあがってがんがんでそのまま最後まで行ったが、この晩の客席はほぼ着席で、終盤に一部が立ってわあわあ、程度で、順番におとなしく(わあ、とか言いながら)聴いていくかんじ。
前方・背後のスクリーンに映し出されるぎらぎらぐるぐるのサイケビジュアルがきれいで轟音にうまく同期していて、花火大会のようだわ、て思って見ていた。問答無用にきれいでやかましいだけで、無理してハイになったり拝んだりする必要のない瞬間瞬間に立ち上る快楽の曼荼羅。
曲の速度や濃度によってギター音のテクスチャーはその表情や触感をころころと変えていって、まるででっかい森のなかにいるように心地よくおもしろく、しかも飽きない。でもそれを焚きつけたり風を起こしたりしているのはColm Ó Cíosóigのぱたぱた手数多めのドラムスで、このリズム隊がもうちょっと重心低くしていたらぜんぜん違った系の音に – たぶんつまんなく- なっていたのではなかろうか、と。
ギター轟音の最初のノートを乗っけて点火したらあとは自動で地平線の彼方地に突っ走っていくかのような軽快で無鉄砲で無責任なかんじ、それは88年にJ Mascisが、91年にButch Vigが刷新したギターノイズのありようを想起させるものだった。 あーそういうことなのかもー、と。
で、この気持ちよさは終盤に向けてどんどん増幅されていって、”Soon”からラストの” You Made Me Realise”までの4曲が持ちこんでくる異世界感ときたら対岸の花火が延焼して大変なことになっているのをお手あげで見ているようですばらしくて、それは終始客席にいるらしい知り合いに手を振ったりはにかんだりしているBilindaさんのどこか場違いな佇まいと併せるとなかなか快感だったの。
だいたい2時間、アンコールなし。アンコールなんていらない。
Meltdown関係はこれでおわりかしら。あっという間。 1ヶ月くらいやってくれればいいのにな。
6.28.2018
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