6日の水曜日の晩、Picrurehouse Centralで見ました。 この晩のCourtney Barnettのチケットも、ROHのSwan Lakeのチケットも、どっちもぎりぎりまでねばって結局だめでさー。
アニメーション制作は、”Song of the Sea” (2014) のチームなので、これは見ないと、だった。プロデューサーの中にはAngelina Jolieの名前もあるけど、それよりも。
ベストセラーとなった原作には翻訳もあって - デボラ・エリスの『生きのびるために』(2000) - 更には主人公パヴァーナが出てくる連作もある。(未読)
2001年、タリバンが支配するアフガニスタンで、父と一緒にマーケットに出ている11歳のパヴァーナはブルカを着けていても女性というだけで虐められて、家に戻ってもやな奴に付け狙われて、嫌がらせのように父を刑務所に連れていかれてしまう。 母と刑務所を訪ねて行っても追い払われ、母は叩かれて怪我をして、そのうち食べ物もお金もなくなってきたので、一家 - 母と姉と幼い弟 - を養うためにパヴァーナは髪をばっさり切り、父の甥という設定の男の子になって町に出ていくと、同じように男の子になっている幼馴染のショーツィアと会って、そうやって商売を始めたらうまくいくかんじで、お金を貯めて、なんとか父を刑務所から出してもらおうとがんばるの。
このメインの流れとは別に、パヴァーナが弟にせがまれて創ったお話 - むかしむかし村の青年が魔法の種を手に入れるためにあらゆる困難を乗り越えて険しい山のてっぺんにいる魔の巨象と対決しましたとさ - ぎこちない切り絵風のアニメ - がところどころ、パヴァーナ達が辛くなってくると挿入されて、これも先のJoan Jonasのところで出てきた、生きのびるために必要なストーリー、だし、パヴァーナとショーツィアが海外の絵葉書を手にして、海がこんなに青いなんて信じられないよね、て言い合うのもそうだと思うし、彼女たちの語るストーリーを祈るように、拳を握ったりしながら聞いてしまう。(予告にもあるのだが、ショーツィアが素朴に尋ねる - “Is it a happy story? or sad story?” だけでじーんとしてしまうの)
終盤は父の救出どころか、(アメリカとの)戦争が始まるからみんな家を捨てて逃げろ、になって戦闘機が飛んできたりみんなてんやわんやの散り散りになってしまうので、こんな状態では、甘い、誰もが救われる結末なんてありえないことはわかっているのだが、それでも単なるかわいそうだねえ、では終わらない、”Song of the Sea”にもあった決して負けない、困難に立ち向かう女の子の冒険譚になってはいる。 - 甘すぎ、だろうか?
これがフィクションとは言え、00年代 - 911でしょんぼりしたりブッシュのやり口にうんざりしたりしつつ我々が見ていたアフガニスタンに暮らす女の子の周辺で起こっていたことをアニメーションで柔らかめに包んで描いたもので、これと同じかもっとひどいことが今はシリアの子供達の間にも - あるいは事情によっては日本の子供達の間にだって - 起こっていて、 国威とかいうのを掲げるろくでなしのしわ寄せはいつもこういうところに行って、どうしたものか… になってしまう。
で、こういうものでも見ること - 知ることが、何かに繋がってくれれば、というのはこちら側の都合のよい「ストーリー」に過ぎないのだろうか… 日本でもみんな見てくれますように。
6.12.2018
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